(0101) ▼ 赤司は“愛されて”?

“愛され”てるのはだーれだ。暗いかも。時間軸的に小学校くらい。
このままだと中学にはグレるでしょう。




昔から私はよく両親に誉められてた
すごいね、偉いねの言葉をもらう度に頬は緩んで幸せいっぱいだった
赤司も昔から良くできていて、毎日帰ってくる両親とは違い、あまり帰ってこい両親に伝えてはいっぱい誉められてた。その時誉めてやれなかった分、目一杯に
いつからか、私は天狗ようになっていたのかもしれない。天狗と言ってもたぶん両親と会える数で、だ
私は毎日会える。赤司は週一といったところか
なんとなく、今となってはなんとなく、それだけで赤司に勝てたような気がしてた

ある日、いつものように今日のことを報告する
お父さんとお母さんはすごいなーといつものように言ってくれる
そういえばこういう時どのような顔して誉めるのだろうか
気になった私はそっと目を開けてみた

それが間違いだった

そこに見えたのは全く笑ってない両親と、いつもの優しい手
つまらなさそうな、こんなこと出来て当然なのに。そんな顔しているようだった
その時はきっと疲れているんだと誤魔化した

だがなんど目を開けても見えたものは笑ってない両親。頭に乗る手は日に日に撫でてくれる時間が減っていった
最初こそは気づかなかったが、意識していくと段々短くなっていくのがわかる
そこで幼い私でもはっきりわかったのが、私は愛されていない、ということだった
表向きは幸せな家族。でも実は冷めていた家族

赤司は愛されているのか
振り返ると自分のことのように喜んで赤司の頭を撫でている両親の顔が見えた
毎日は会えない。だからこそなのか。赤司も、その両親も、幸せそうで笑顔いっぱいだった
始めて気づいた寂しさ。赤司は、両親に会えない日はこんなんだったんだろうかと、心の隅で思った

言うと誉めてくれる。だけど言葉だけで心はない。表は幸せ家族ごっこでそれに気づいてしまった私と
平日は寂しい思いをしてるが会って言うと幸せ一杯の、本当の家族。寒そうで実はあったかい場所にいる赤司


これは、どちらが幸せなんだろうか
…そんなのわかりきっているじゃないか


― 赤司 だ…




2014.01.01 00:00


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