藍と翔と時々唯と | ナノ










「おはヤッホー!今日のゲストはいま中高校生の大人気ファッション誌のモデルさんの小傍唯ちゃんだにゃぁ〜」


「おはヤッホー!小傍唯です。今日はよろしくお願いします」


今すぐに帰りたいこの状況。まさかまさかトキヤの兄である双子のHAYATOと共演することになるとは思わなかったし、それにおはヤッホーニュースは人気番組であり10代では圧倒的に支持があると聞いた。まさかそれに出るとは思ってもなくて内心ヒヤヒヤ状態。しかもHAYATOファンは俺の学校でも特に人気でファンもたくさんいる。マネージャーからはいつも通りにしていればバレないと言われたが、正直朝っぱらからHAYATOのあのテンションにはついていけない。どうにかこうにか無事に終わったけどかなりの脱力感に襲われてしまった。取り敢えず今日はこの収録だけだからいいけど…


「唯ちゃん、お疲れ様にゃー」


「お疲れ様です」


「大丈夫かにゃ?疲れてない?トキヤによく言われるんだよね。絶対に僕と共演した人は疲れてるって!あ、トキヤは僕の双子の弟なんだ〜」


「いや全然疲れてないですよ!HAYATOさんって弟さんいたんですね。なんかお兄さんがいるイメージがありました(いや知ってたけど、トキヤ言ってたからな!)」



まさかいきなりトキヤというワードが出てくるとは思ってもなかったけどやっぱり兄弟ってそういうもんだよなと思ってしまった。するとガチャッとドアが開く音がして振り向いたらそこには


「ここにいたんですか。探しましたよHAYATO」


「あっー!なんでトキヤがここに居るかにゃ?関係者以外立ち入り禁止なのにぃ―!!!」


「貴方がメールで忘れ物したから届けてほしいと送ったの忘れましたか。全くしっかりしてほしいものです。おや、まさか出演者の方もいらっしゃるとは。すいません、私の兄がお見苦しいとこ見せてしまい」


「(なんでトキヤがいるんだよ!!!!!びっくりするじゃねぇーか!)い、いえ大丈夫ですよ。それにしても先程HAYATOさんが言ってた弟さんってこの方?」


そこにいたのはトキヤだった。俺早くこの状況から逃げたいと思ってしまった。マネージャーはまたまたここのプロデューサーに呼ばれては売り込みを始めていたからきっと一時間近くは戻って来ない。そしていまここにいるHAYATOとトキヤも充分まだここにいるに違いない。どうしょうとぐるぐると頭を回転させていたらまた再び扉が開いた









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