どう見てもしぶしぶだけど取り敢えず納得はしたみたいだ。俺が本当に女装アイドルしている理由は他にもあるけど、別に藍に言っても関係ないからな。
「なら、僕の秘密―」
確か交換条件だった。お互いの秘密を言うというのを。美風藍という人物の秘密を知ればメディアに高く売れるなんて考えはしないけど、あの透き通る歌声や美形にそして計算高く頭もいい。下手したら俺や音也より年上な感じがする。俺はそう思った。だって―
「―ウ。ショウ」
「おっ。わ、わりい」
うっかり自分の世界に呑まれていたときに藍は話し掛けてきた。現実に引き留められた俺を見て藍はため息を吐いてはやれやれといった感じで話しだした
「ねぇ、ショウは僕がロボットだって言ったら信じる」
「ロボットっとってあの猫型ロボットとかの、ロボットか?」
某有名な二十二世紀の猫型ロボットしか浮かばなかった俺はすぐにそれをぶつけたら藍は先程より深く溜め息を吐いてはジッと俺を睨みだした。いや、ロボットですって言われてもそんなにピンって来ないし、第一アイドルがロボットやってますって実際今までいないだろ普通は。と誰に何をつっこめばいいのか変わらず頭を悩ませていたら今度はプッと藍が笑った
「ほんとショウって見てて飽きない」
「それ、どういう意味だよ」
「褒め言葉だよ。褒め言葉」
あ、まただ。藍が笑うと凄い自分でも嬉しい気持ちとドキッとしてしまう違和感。何だろう。だけどきっとこれはこのままにしておかないといけないかもしれない。この事実をしれば絶対にいけない。深く考えずにしておこうと決めた。
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