意外な元凶

久しぶりにFBIの皆様とのご対面です。
イケオジなムッシュ・ジェイムズは相変わらず素敵です。
マダム・ジョディも相変わらずお元気そうでなによりですね。
また久しぶり!なんて言われてしまった。
貴方の口癖は久しぶりなんですかね。
ムッシュ・キャラメルは相変わらずの体格だったので威嚇されたらちょっと怖いなと思ってしまいました。
ごめんなさい。
秀一はもう何も言いません。
仕事中でも隙あらば俺のプライベートを聞き出そうとしてくるので腹が立ちました。
いくらイケメンだろうと許しません。

『とまあ、こんなところですかね
組織に関しては今の所落ち着いていますし、上層部は動いていません
下手にNOC対象者が動けばもれなくコードネーム所有者レベルが動きますが、今はそういうレベルの話はありません

それからこちらが本部から要請を受けた件についてのものです
秀一経由でFBI本部のメールをいただきました
あの、もし本部からの物でしたら直接俺が連絡取りますけど…』

「いや、俺がしよう」

『え、なんで?
だってわざわざ秀一を介してやるよりも本部と直接の方が速いし…』

「お前と連絡を取る理由が一つ減る」

『公私混同反対…!』

フッと笑った秀一は俺の頭を撫で回しました。
仕事中だというのにこの態度。
全くもって誠意を感じられません。
それにマダム・ジョディもムッシュ・キャラメルも、なんで秀一なら…みたいな空気してるんですか。
貴方達本当にFBIとしてそれでいいんですか。

『と、ともかくですね…
まあ以前合同捜査をしたよしみでうちの本部からもデータを漁っておきました
それと、俺の個人的なルートで洗った情報と報告書を纏めておきましたのでこれは本部へ引き渡してください』

データを渡し、パソコンをパタンと閉じた。

「すまないね、我々も世話になっているというのに
本部も君には頭が上がらないよ」

ムッシュ・ジェイムズ…貴方は菩薩ですか…!
なんとお優しいお言葉…有難き幸せです…

イケオジにこんな事を言ってもらえるなんて、仕事してて本当に良かったです。

『いえ、俺がご協力できる事でしたらなんでもしますので』

「ねえ、ルイ、貴方、もしかして香水変えた?』

取引も終わったことだしめでたしめでたし、と思っていたら突然マダム・ジョディに引き止められてビクリとしました。
そういえば1ヶ月は会っていなかったと思います。

「確かに前と違って甘い匂いがしますね」

ムッシュ・キャラメルまで何を言い出すんですか…!

『え、あ、いや…』

「ああ、1ヶ月程前から今のに変えている」

ギョッとして隣を見たら、何食わぬ顔でイケメンは答えてしまいました。

『ちょっと、人のプライバシーを勝手に…』

「香水を変えたくらいで何を騒ぐ必要がある?」

「シュウは会っていたのよね?」

「いや、3週間程コイツも本部の仕事で連絡が取れなかったし会ったのは…ついこの前だな」

「え、赤井さん、なんでそれで1ヶ月前ってわかるんですか?」

「それは…」

『秀一…!』

「まだ何も言っていないだろう」

『言いそうでしたよね?
プライバシーの侵害って言葉を知らないんですかね、貴方は…』

「…まあ、1ヶ月前っていうのは…」

『話聞いてた!?』

「そう怒るな
珍しくお前が誰かと出掛けたと思って尾行していただけだ」

『尾行って、馬鹿じゃないの…?
俺だって誰かと出掛けることくらいあるでしょ…!』

「奴とプライベートで出掛けることなんて少ないだろう」

『そんなことありません!
前に水族館行った話したよね?』

「…そうだったか?」

『そうです!』

「仕事終わりのついでだったんだろう?」

『確かに仕事終わりでしたがついでではありません!』

「面白そうだったから尾行しただけだ
随分と楽しそうに香水瓶を眺めていたじゃないか」

この野郎。
そんな時間あるなら仕事しろよ。

『…前の香水は合わないって言われただけ!
いかにもフランス人ぽいけど大人過ぎるって、似合わないってさ!』

「奴もまともな事を言うな
確かにお前に前の香水は合わないと思っていた
今くらい軽いのがいい、背伸びしたって良いことはないさ」

せ、背伸びって…
年上イケメンは本当に俺の事を子供扱いしているようですね…

「まあ、確かに今の方がルイには合ってるわね
女の意見も聞いておくものよ
前より近付きやすいって言うか、親しみやすいわよ」

『マダム・ジョディまで…』

年上ってだけでこんなに言われるとは。

『FBIは俺の事を年下のガキだと思われているようですね
そういう事なら情報提供は…』

「そうじゃないわよ、ルイ
もう、シュウがそんな事言い出すから…」

「事実だろ」

「年下とかそういう事じゃなくて、単純に貴方のイメージに合ってるのよ
この香水を選んだ貴方の知り合い、貴方の事をよくわかってるっていう証拠じゃない?」

俺の事を、よくわかってる?

ポカンとしてたらマダム・ジョディはフフッと笑った。

「いい?ルイ
香水っていうのはその人の印象を左右するものよ
貴方自身が持っている元々の体臭と香水が混ざり合ってオリジナルな貴方の魅力を引き出してくれるもの…
ルイ自身の元々の匂いを相殺し、取り繕ってまで違う印象を与えるものじゃないのよ」

『…それって、俺が元々臭いってことなの?』

「No, no. わかってないわね、ルイ
私達は誰でも元からオリジナルな匂いを持っているっていうこと
自分ではなかなか気付かないけれど、他人に会った時に自分とは違うと感じたりすることはあるでしょう?
それがその人の持っているオリジナルな匂い
それをベースに更に貴方らしさを作るものが香水
魅力を引き出せるってことは、貴方の匂いも把握していて尚且つ貴方の好みの香りや印象もよくよくわかっている人…
会ってみたいものね、そんなにルイの事を見抜いてしまう人に」

…俺の好みの香りも印象もわかってる?
なんかちょっと難しい話だけどなんとなく納得がいってしまうのはなんでだろうか…
ねえ、安室さん、貴方、たまに余計な事にその素晴らしい洞察力を発揮していませんか?

「いや、奴に会うのはやめておいた方がいい
特に俺やFBIを目の仇にしているんでな、まあ、原因はほとんど俺だが」

「あ、赤井さんが?」

「相当執念深い奴だ」

「あ、そうなの…」

「コイツに関してはだいぶ目が無いようだがな」

本当に楽しそうですね、貴方は。
命が狙われてるんですよ。
わかってるんですか。

「でも素敵よ、ルイ
また一段と可愛くなっちゃって、なんとなく色気も出てきたわね」

『マダム・ジョディ、男に対して可愛いというのはですね…』

「あら、褒め言葉よ?
それに前よりフェロモンが出てるしその香水のおかげかしら?」

マダム・ジョディにまで頭を撫でられました。
どうやら年上イケメンだけではなく年上マダムからもこんな扱いを受けるようです。
これはつまりただの子供扱いですね。
わかりました。

『そんなに子供扱いしたいのでしたら帰ります』

「そんなつもりじゃないんだけど…」

「まあ、ルイさんは自分とは違って守ってあげたくなるような存在ですから…
ジョディさんもルイさんの事を大事に思っているだけですよ」

出た出た、万能言葉の大事にしてるって。
その言葉の概念は知りませんので俺には理解不能です。
ただの子供扱いと同じです。

「キャメル、彼を送っていってやれ」

「え、自分がですか?
いつもなら赤井さん、ご自分で行かれるのに…?」

「今夜は行くと厄介なことになりそうだ
コイツの事は任せたぞ、キャメル」

「あ、赤井さん…!」

待て待て待て。
秀一のお車ではないということはつまり。

『やだ!』

「え…?」

『やだやだやだ!
ムッシュ・キャラメルの車乗ったら死ぬ!』

「え、ええと…」

「馬鹿ね、死ぬわけないじゃない
私が何度乗ったと思ってるのよ」

『あのね、マダム・ジョディ、俺があの車に乗ってどんな思いしたと思ってるの!?
猛スピードで街中カーチェイスした挙句にドリフトスピンしてガードレールに激突、シートベルトは外されてたし外に投げ出されて川に落下だよ!?
車は大破、あんなの乗ってたら俺心臓持ちません!』

「あれは前もって計画立てておいた合同捜査での一貫でしょ?
今はただの送迎なんだからちゃんと安全運転で行くわよ、キャメルの腕は確かよ?」

「ルイさん、そんなに嫌だったんですね…」

なんかムッシュ・キャラメルが凹んでる…
あ、なんか可哀想になってきた
なんか俺がいじめてるみたいな気分になってきた…
ムッシュ・キャラメルってガタイ良くて強面なのになんかギャップ萌え的なところありません?
貴方こそ守りたくなるような存在なんですけど…

『わ、わかりましたから!
ムッシュ・キャラメル、別にああいう運転じゃなければ乗りますから!』

「ほ、本当ですか!」

パッとムッシュ・キャラメルが明るい顔になった。

ほら、何この顔、子供ですか
ちょっと可愛いんだけど
何故だ…

はあ、と小さくため息を吐き出してから今日はムッシュ・キャラメルの車にお邪魔することにしました。

「す、すみません…
ルイさん、赤井さんとお話したかったでしょう…」

『ああ、いつでも連絡取れるんで構いませんよ
それに引き換え、ムッシュ・キャラメルとはこうやってお話する機会はなかなかありませんでしたからね
新鮮でいいですよ、それにこの車、もしかして屋根でも開くんです?』

「え、ええ、開きますけど…」

『じゃあ開けて帰りましょうよ!
俺、オープンカーは初めてなんで!
楽しそうですね、気持ち良さそうです』

初のオープンカーです。
いつもの取引場所の地下駐車場から出て外に出ると、風が吹いてきた。

おお、これは快感…!
それにスピードもちゃんと日本の法定速度なのでとても気持ちいいです!
ムッシュ・キャラメル、あからさまにやだなんて拒絶してごめんね…
夜の街をこんな風にして走るのもなかなかいいものですね…

「(折角赤井さんからルイさんを送るという任務をいただいたんだ…
ルイさんを安全運転でお送りしなければ…)」

『ねえねえ、ムッシュ・キャラメル
なんか変だと思わない?
いつもなら秀一、絶対俺のこと送ろうとするのにね』

「え、ええ、そうですね
ルイさんは赤井さんの大事な人ですから、自分のような他人に任せるのは本当に珍しいと思いますよ」

…何かありそうだな
秀一、また馬鹿な事でも考えてるんじゃないだろうね…

『ま、いっか
折角のオープンカーだし街を一周して帰りましょう!』

ということでムッシュ・キャラメルと夜の街を堪能し、工藤邸まで連れてきてもらった。
シートベルトを外し、ドアを開けずに飛び越えて車から降りた。

『ムッシュ・キャラメル、ありがとうございました
楽しかったですよ、安全運転の時はまた乗せてください』

「ええ、自分で良ければいつでも」

『じゃ、お仕事頑張ってください』

「(それは嬉しいんですが、いつになったら名前を覚えてくださるんですか…ルイさん…)」

お疲れ様、とその場で見送って工藤邸のドアを開けた。
よし、これで取引も終わったし久しぶりにFBIの皆にも会えたわけだし、そして今夜は和牛が待っている。

最高!
完璧だね!
最高の報酬ですよ、和牛が食べられるなんて!

玄関で靴を脱いだら呼び鈴が鳴ったので、そのままドアを開けた。

『…丁度でしたね、俺も今帰ってきたばかりです』

「蛍さん、仕事の事なので僕は口出ししませんが…あの男の匂いがするのは気のせいですか?」

か、帰ってきて開口一番それですか?
ねえ…安室さん、ただいまとか言えないんですか?

『会っていないことはないですけど…』

「気に食わないですね」

『ま、まあ…今日は彼の送迎もありませんでしたし本当に会っただけですよ、1対1でもないですから
それより和牛…』

「…そうですね
もうあの男の存在など忘れるのが一番ですね!
五日間の栄養素取り戻しますよ、しっかり食べてくださいね」

秀一…貴方、彼の記憶からもう抹殺されるようですよ…

まあ、それは置いておいて嬉しいことに和牛のディナーです。
素敵すぎるよ。
と思ってたら念のため、とまた何故か消臭スプレーをかけられてちょっと苦笑しかできませんでしたけど。
しっとりとした服を乾かすようにリビングでパタパタしていたらキッチンからはいい香りが漂ってきました。

た、楽しみすぎる…!
すき焼き用のお肉にはしなかったんだけど、国産和牛って書かれた霜降りのお肉買ってきちゃったもんね
絶対美味しいよ、日本の和牛!
そしてイケメンごはん!

20分後くらいに完成した和牛のステーキを美味しくいただき、ちゃんと付け合わせや小鉢などもいただいております。
これは完全に旅館の料理ですね。

『美味しいー!
これ!これです!和牛!
もう最高のご褒美ですね、ダメだ…日本食最高…
これはフランスでは恋しくなるやつですね…』

「喜んでいただけて何よりです」

お肉でデレデレしていたところにイケメンから頭を撫でられるという追加のご褒美までいただいてもう本当に幸せです。
神様ありがとうございます。
これからもお仕事頑張っていきたいと思います。

「今夜は先日の埋め合わせなので、ゆっくり時間を過ごせそうですね」

『はい、その、嬉しいです…』

幸せです。
こんなに幸せなことってあるんでしょうか。
いえ、ありません。
こんなに幸せということは、逆も存在するわけです。

「蛍さん、今夜は…」

安室さんが言いかけた時に、呼び鈴が鳴りました。
しかも連打です。
彼です。
先ほど安室さんが存在を忘却の彼方へと追いやった彼の襲来です。

「僕が出ますね」

『い、い、いやいやいや、ちゃんと俺が出ますから安室さんはここにいてください!』

「いえ、貴方まだ食事中なんですから」

ちょっと待ってくれよ…

スッと立ち上がった安室さんはもれなくステーキを一切れ俺の口に突っ込んでから玄関に向かって行かれました。
嫌な予感しかしません。

ちょっとちょっと…
なんでこうなるのかな、待って
ムッシュ・キャラメルに送らせておいて、なんでのこのこやって来てるんですか?
馬鹿なこと考えてないよねって思ったけど、考えてたのかよ!

折角の和牛のステーキですが、とりあえず飲み込んでから急いで玄関に向かいました。

あああ…もう口論状態…
手が出るのも家を壊されるのも時間の問題ですね…

『秀一、どうしたのかな、さっきムッシュ・キャラメルに送ってもらった筈なんだけど』

「蛍、酒盛りだ」

『いや、今夜は厄介なことになるって自分で言ってたよね?』

「キャメルに送らせている間に酒を買ってきた
さっきはろくにお前のプライベートの情報は持ってきてもらえなかったからな」

…結局俺のプライベート目当てだったんですか!
仕事してくださいよ、もう…

「帰れ」

「君にも聞きたい事はあるんだ、いいじゃないか」

『……』

何勝手に上がってるんですか。
本当に俺のプライベートに関しては楽しそうにしてますね。

「君が蛍の香水を変えさせた理由を聞かせてもらいたいと思ってな」

「そんな事お前には関係ないだろう」

「そうでもないさ」

「何?」

「前の香水を買わせたのは、俺だからな」

「それは本当ですか?蛍さん?」

…そ、そうでしたっけ?
なんか記憶にないんだけど…

少し考えてみて記憶を数年前まで巻き戻してみる。

『……あー!確かアメリカのデパートであの時…』

「やっと思い出してくれたか
お前には自然と男が寄ってくるからあえてお前に合わないような背伸びした香水を選んでやったんだが…
逆にもっと変な男が寄り着くようになってしまって、虫除けにもならなかったな」

『俺の男運の悪さって…ま、まさか、秀一が原因だったの…!?』

「ああ、だから悪いことをしたと思ってお前の事は人一倍気にかけてきたつもりだ」

だったらなんでもっと早く言ってくださらなかったんですか…
だから俺のプライベートにいつもいつも首突っ込んできてたわけね…
ていうか安室さんもそうだけど、年上のイケメンはどうしてもっと大事なことを早く言ってくださらないんですかね!?

「結局はそこにいる彼の善良な判断で事が落ち着いたわけだ
良かったじゃないか、無事に男運の悪さも解消されて相手も出来てお前には…」

『じょ、冗談じゃないよ!
今までのをどう清算してくれるわけ!?』

「そこの彼にでも慰めてもらえ」

なんということだろうか。
長いため息が落ちてしまった。
そして当の本人は買ってきたウイスキーを飲んで寛いでいるのでもう何も言い返す気になりませんでした。

「蛍さん」

『は、はい…』

「仕方ありませんね、今回は見逃します」

『え?』

「貴方、僕とこうなるまで誰とも付き合っていなかったんですよね?
ということは貴方の最初を僕が貰ったわけですし、まあ、終わり良ければ全て良しということで…」

『何も良くありません!
ごはん食べたら俺、寝ますから!』

恐らく彼も気を利かせてこんな事を言ってくれたんだろうが、後で余計な事をと秀一に奇襲をかけるに決まってる。

わかってる…
それくらい俺はお見通しですからね、お二人さん…

今日は皿洗いも彼に任せてしまおう。
ディナーを平らげ、リビングを突っ切って部屋に戻ってドアを閉めた。
それから一回開けてリビングへと声を飛ばした。

『俺の睡眠時間邪魔したら発砲しますからね!』

ふう、と一息ついてベッドに横たわった。
大変な事実を聞かされてしまった。
もうふて寝しか選択肢はない。

あー、寝よ寝よ
こういうのは寝るのが一番…

ふとリビングで物音がします。
口論しているのもわかります。
さっき俺は言った筈です、睡眠時間を邪魔したら発砲すると。

『ね、寝られるわけないだろ…こんなんで…』

起き上がってUSPを持ち、部屋から出てリビングに向かった。

『俺の睡眠時間を……え?』

「あ…」

「蛍さん…?」

デジャヴです。
グチャグチャのリビングを見て怯んだ瞬間、2人の攻撃をもろに喰らいました。

こ、これはかなり本気でやっていたようですね…

その場にパタリと倒れ込み、意識も吹っ飛ばしたわけです。

「やれやれ、本当にUSPを持ち出してくるとは…」

「お前が蛍さんを気絶させたんじゃないか!」

「そういう君こそ、蛍の腹部に一発入れたんじゃないのか?」

もう、安らかに寝かせていただきたいものです。
結局夜の埋め合わせもなく、ただただリビングの床の上で目を回しておりました。

神様、ご褒美だと浮かれていた罰か何かですか、これは…
それにしてはとても重い懲罰ですね…
今度から気を引き締めて仕事に臨みますのでど、もうこんな痛い目に遭うのは懲り懲りです…






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