バターサンドイッチ編
-安室さんのバターサンドイッチ-
「今日は特別なサンドイッチを作ってみました
試食されます?」
キッチンから声が飛んできたので仕事を放って部屋を出る。
特別と言われちゃ試食しないわけにはいかない。
今まで食べてきたサンドイッチにハズレは一度もなかった。
『特別ってなんですか?』
「とてもシンプルなものにしてみました」
『シンプルって言ったら定番のBLTサンドイッチですかね、それかハムチーズか…』
「いえ、もっとシンプルです」
『もっと、シンプル…?』
「はい、以前お手製ならなんでも良いと仰っていたので」
手渡されたバゲットを受け取って固まった。
これはもしや。
『具が、ない…』
「はい」
『いや、あの、はいじゃなくて…』
「バターのサンドイッチです」
『いや、だから…』
「ちゃんとお手製のバターのサンドイッチですけど、ご不満ですか?」
『不満に決まってます!』
「あ、ちなみにバターから作ってみました」
『…ごめんなさい、やっぱり大満足です』
.
[ 1/3 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]