書庫のお掃除

昨日の今日で少しまだ風邪を引きずっています。
今日はコナン君から入っていたメールを確認して家の中のお掃除をすることにしました。
風邪です、と交渉したのですが受け入れてもらえませんでした。
納得がいきません。
勿論リビングはまた業者に連絡して直してもらってます。

業者の人もまたこの家かとか思ってるんじゃないかな…

はあ、と溜め息をつきながら向かったのはこのお家のメインスペース。
書斎というか書庫というか。
最早図書館と化しているこのお部屋。
ここの書物はあまり汚してはいけないと思って普段から立ち入らないようにはしていたのですが、こうして中に入ってみるとやはり凄いですね。

…図書館どころじゃないよねー
博物館っていうか、これ本当に本屋さん以上だよ…

『ていうかさ、コナン君はこれを俺に掃除させる気なのかな…
何時間掛かるんだよ、これ』

360°見渡しても本ですからね。
此処を掃除するとなったら本当に何時間掛かるのかわかりません。
まあ、今月分の家賃には相当するかと思います。
寧ろ来月分まで食い込むんじゃないかというくらいの仕事量です。

とりあえず…上からやってくか
ハシゴはあるみたいだし、本当にイギリスの古書店みたいだな

ちょっと感心しながらもハシゴを使ってハタキを掛けていきます。
並んでる本はといえばミステリー小説ばかり。
コナン・ドイルに江戸川乱歩、シャーロック・ホームズのシリーズだけでなく原本やかなり年季の入った物まであります。

訂正しよう、此処は書庫じゃないね
ミステリー小説博物館だね

うん、と思いながら整理していたら部屋のドアが開いた気がして振り返った。

「あ、ルイさん!」

「ルイさーん!私、園子ですー!
覚えてます?ほら、前にポアロでお会いしたじゃないですかー!」

蘭さんと園子さんでした。
園子さん、貴方は強烈だったので覚えてます。
大丈夫です。

『蘭さんに園子さん…どうされたんです?』

「実は新一から連絡があって、今日ルイさんに部屋の掃除を任せてるから手伝ってやってくれって言われまして…」

ならお前が来てやれよ、工藤君
君は公園でサッカーでもしてるのか?
おい、女子高生派遣しておいてそれはないだろう…
全く、なんて奴だ…
コナン君、後でお説教でもしてやろうか、君はレディーファースト精神がなってないようだね…

『でも時間掛かると思いますよ?
よろしいんですか?』

「ええ、今日は一日空いてますし此処をルイさんがお一人でされるなんて聞いたら…
この部屋の掃除を一人に任せるなんてアイツもアイツですよね、全く」

「とか言って、満更でもないんでしょー?」

なかなか園子さんも言いますよね…前も思ったけど
素直でいいと思います

というわけで3人でお掃除です。
念のためデスクにはタブレット端末と携帯を両方置いて、突然のお仕事にも対応できるようにしています。

「ルイさん、最近どうなんですか?」

『蘭さんは相変わらずって感じですか?』

「ええ、まあ…」

ハタキを掛けて少し書籍に手を出してみた。
初めてこの部屋をじっくり見たのだ。
気になる書籍の一個や二個はあったのだ。

『そうですねえ…
進展という進展は…ないことはないんですけどねー…』

パラパラと本をめくりながら答える。

『いや、出掛けたんですよ、夜
俺がなんか色々トンチンカンだったみたいでちょっとご機嫌斜めにさせてしまったというか…』

「ルイさん、フランス人なのに口説いたりしないんですかー!?」

『あの、フランス人だから口説くとかは違うと思いますよ、園子さん…』

「でも、ご機嫌斜めってことは…そのまま帰ってしまったんですか?」

『そうですね…
そうなんですけど、今度はちゃんと言うこと言わせますからねって強気で言われました
俺も勘違いしてた事には後で気付いてちゃんとそこは説明したんですけどね』

「じゃ、じゃあ…」

『あと一歩なんですけど、なかなかねえ…いかないんですよねえ…』

「ルイさん、意外と乙女ですね」

『ハイ?』

「だってー、なんか本当に恋する乙女みたいな…
初心すぎません!?」

『園子さん、一つ言わせていただきたいのですが俺は最高に男運も女運も悪いので今までこんなに順調に行ったことがないんです
なので今探り探りでやってるって感じなんですよ…』

「えー!
ルイさんイケメンだし可愛いし絶対百戦錬磨だと思ってた…!
違うんですか!?」

『いや、百戦錬磨って…』

園子さんの中で俺のイメージって何なの?

苦笑。
本棚にそっと本を戻したら、蘭さんはちょっと下を向いた。

「でも…なんとなくルイさんの気持ちわかります
どうしても、言えないですよね
なんだか本人を前にしたら突然言葉が出なくなるっていうか…」

『……』

あれ、蘭さんもってことは…言いたい事が言えなくなるのは病気ではない…?
てことは…何だ?

『ら、蘭さんもですか?
なんだか言おうと思っても、本人目の前にすると何も言えなくなってしまうっていうか…
どうしたらいいんでしょうね…
解決策が見つからないんですよね…』

「…そうですね
やっぱり言おうという気持ちはありますし、言いたくないわけではありませんし、だけど…やっぱり言えないんですよね…」

つくづく蘭さんは相談がしやすいなあと思いながら、うーんと考え込んでいた。

「あと一歩の勇気が、大事です…」

『勇気、ですか』

「あ、あんまり偉そうな事は言えないんですけど、やっぱりルイさんのメールとか見てますと、すごく順調だと思いますよ」

『え、そうですかね…』

実は蘭さんとはちょくちょく連絡を取っていて、秀一の次に近況報告をしている仲である。
もうすっかり俺も女子会の仲間入りしているんじゃないだろうか。
下の段に移動してハタキを掛ける。

『園子さんはどうなんですか?』

「えっ、私ですか!?」

「真さんから連絡は?」

「そりゃあったわよ〜!
次の大会、日本でやるからって優勝する瞬間を必ずお見せしますって写真付きで…」

園子さんはとても順調そうだな。
以前蘭さんから経由で帝丹高校の人間関係を探っていた時に園子さんのデータも見たし相手も少しサーチしておいたのだ。

『一途でいいですね、素敵です』

うん、この時代にあんな一途な人なかなかいないよ。
たまにはこうやって青春真っ只中の高校生達と交流するのはいいですね。
参考になります。

「あ、ルイさん、何か鳴ってますよ」

『え?』

ハシゴをヒョイッと降りる。
デスクに置いていた端末を見たら、タブレット端末のテレビ電話でした。
とりあえず通話ボタンにタップしたらイケメンが手を動かしました。
という事は盗聴の可能性があるという事ですね。

『"どうしたの?
昨日の事なら請求書が送られてきたらすぐ連絡するつもりだったけど?"』

["悪いな、蛍
それは承知しているがそんな話をしている場合じゃなくなった"]

『"何かあったの?"』

["昨日の夜に動きがあった"]

『"…組織の事なら俺に何も連絡入ってなかったよ?
ジン様からも特に何も言われなかったしデータバンクもちゃんとチェックしてから寝たけど…"』

["違う"]

何が違うんですか!
全然話が見えませんけど!

『"秀一、仕事の話なら会った方が早いと思うんだけど…"』

["仕事の話だったら俺だってそうしているさ"]

『"…ちょっと待った
まさか秀一の話っていうのはさ…"』

なんかわかってきました。
なんでだろう。
この人って本当にいつでも俺のプライベートが大好きなんだね。

["奴が動くぞ
蛍、お前は次の金曜日に美術館に行く事になりそうだ"]

『"は?どういう事?"』

["いいか、お前は絶対そこで告白しろ
奴もそろそろ限界だ、これを逃したら…"]

『"余計なお世話です!連絡するなら仕事のことにしてよね!"』

イラッとしたので通話を切ってやった。
この野郎。
盗聴されてるのかと思って身構えて損した気分だよ。

何が美術館だ!
ていうか何情報だよ、それ!
時間の無駄だったよ!今掃除中なんだけど!

すごい、ムカつきました。
ごめんね、国民的イケメンだけど流石に根拠のない情報をプライベート回線で口出しされるなんてちょっとイラッとしてしまいました。
タブレット端末を叩き割るところでした。

「ル、ルイさん、落ち着いてください…!」

蘭さんにストップされて思い留まりました。

「何かあったんですか…?」

『ええ、とてつもなく苛立つ出来事でした』

人生の先輩というのはイケメンといえどたまにお節介ですね。

『ちょっとイライラを解消するために掃除に集中しますね
申し訳ないのですが、話しかける時は左側からお願いします
では、集中しますので』

失礼します、と断ってからハシゴに登ってガーッと掃除を開始した。

「…ルイさんて、物凄い集中力ね」

「そ、そうだね…
でも仕事人って感じでルイさんらしいと言えばらしいかな…」

「蘭、やけにルイさんと仲良いじゃないの
彼に嫉妬されちゃうわよー?」

「別にルイさんとはそんなんじゃなくて…
なんかルイさんも似たような境遇みたいだからお互い相談し合ってるって言うか…仲間みたいな感じだから…」

「そんな事言っちゃって…」

落ち着きます。
お掃除は嫌いじゃないです。
いいですね、一心不乱に掃除をすると身も心も穏やかになっていきます。
仕事と同じような気分ですね。

「それにしてもすごいスピードね…
私達の手伝いって必要だったのかしら…」

「安室さんから仕事至上主義っていう話は聞いてたけど…ここまで徹底した仕事人ていうのも凄いのかも…」

順調です。
完全に秀一のおかげでお仕事スイッチが入りましたね。
最早掃除が楽しくなってきました。
上機嫌だよ、もう。
汚れと共に自分も浄化されていくよ。

「あれ、コナン君、どうしたの?」

「新一兄ちゃんから、ルイさんが掃除に戸惑ってないか心配だから様子見といてくれって…
も、勿論蘭姉ちゃん達がいるって言うのは聞いてたけど…」

「それなら心配いらないと思うけど…」

「え…?」

「なんかさっき電話があったみたいなんだけど、それで何かスイッチが入っちゃって…」

「私達の手伝いがいらないくらい物凄いペースで掃除始めちゃったわよ…」

「あ、そうなの…?」

「私達が見てた間にもう一段終わらせちゃって…手際がいいって言うか…」

もう一段終わらせた頃に少し頭痛がしてきて一度動きを止めた。

…あまりにも夢中になってしまった
ちょっとこれ風邪ぶり返したかも、なんか体熱い…
あ、まだ風邪薬残ってるよね、飲もうかな…

ふらっとしてハシゴから転落しました。
地味に痛いです。

「ルイさん!」

「ルイさん、大丈夫ですか!?」

蘭さんと園子さんに助け起こされた。
ありがとうこざいます、大丈夫ですがなんか目が回りました。

『すみません、実は昨日から風邪を拗らせておりまして…』

「えー!?
でしたら休んでください!
掃除くらい私達でやりますから!

全く新一ったら、病人に掃除させなくたっていいじゃない…!
あの馬鹿…!」

『い、いえ…風邪薬があるのでそれを飲めば大丈夫です…
間借りしている身なのでお掃除くらいはしないと…
ん?コナン君?なんで、どうしたの?』

「し、新一兄ちゃんが心配だからって様子見に…」

君ねえ、俺、メールで風邪だから治ってからでもいいかって交渉はした筈だよね?

ジローッと見ていたらコナン君は苦笑していました。

『ちょっと薬飲んできます』

仕方ない、お仕事だと思えばいいよ、やるよ
やるしかないんだ
家賃分の仕事だぞ、これは…

部屋で哀ちゃんからいただいてきた風邪薬を飲んで、前に過労で倒れた時に安室さんが買っておいてくれた冷却シートが余っていたのでそれも装備して本の博物館に戻った。

「ルイさん…
あの、あんまり無理しないでくださいね
私達も手伝いますし…」

『いえ、頼まれたのは俺です
仕事ですからきちっとやりますからね』

ね、とコナン君を見下ろしてやったらちょっとだけ申し訳なさそうな顔をされました。
さて、お仕事再開です。

「ねえねえ、蘭姉ちゃん
さっきのルイさんの電話の相手って誰だったの?」

「さあ…でも手話で話してたから手話がわかる人じゃないかなあ?
ルイさんのお友達でわかる人って…誰だろう?」

「(…て言ったら赤井さんか、珍しいな、赤井さんが雪白さんの事煽るなんて)」

やっとワンブロックが終わりました。
次のブロックに移動してまた上から下までお掃除の繰り返しです。

「ルイさん」

しかしまあ、やり甲斐はありますよ。
外での仕事が少なくなった分、こうして体を動かすのは大事ですからね。

「コナン君、ルイさんが話しかける時は左からって言ってたわよ」

「あ、そっか」

よっこらせとまた下に降りていく。

「ルイさん」

左下から声がしたので見てみたらコナン君でした。
ハシゴから降りて、目線を合わせるようにしゃがんでニッコリ笑顔で答えてあげた。

『何かな?』

「あ、あのさ…一日で終わらせなくてもいいって…」

『へえ、今更そんな事言うんだー?』

「無理されると困るから…」

『どういう意味?』

「その…」

こそっと耳打ちされました。

「安室さんが、今日雪白さんが無理してないか監視しようかってポアロで話してたからもしバレたら…」

『…監視ってどういう事ですかね』

「さ、さあ…
だけど多分雪白さん怒られるだろうからそれ言いに来ただけなんだけど」

『…つまり寝てろってこと?』

「それが一番かも…
だから今日はもう切り上げていいから…」

『いや、一応交渉したのに認めなかったの君だからね?
俺が怒られるのはおかしいよね?』

「で、でも…」

『コナン君、俺は交渉しました
君が断ったので俺は仕事をしています
ですので怒られたらコナン君のせいだからね?
ご理解いただけましたか?』

「…フランス人の自分は悪くない精神って本当だったんだな」

『ともかくね…』

二人でコソコソ話していたら、呼び鈴が鳴りました。
なんとなく嫌な予感がしてきました。

「ぼ、僕出てこようか?」

『俺が出ます!』

ハタキを持っていたままだったのを忘れていたのだが、インターホンを確認せずにドアを開けたらちょっと早い夜ごはんサービスのイケメンがいらっしゃいました。

『安室さん、コナン君からお話を聞いていつもより早くいらっしゃるのではと思いましたが、こんなに早かったなんて…
今日はバイトだったんじゃないんですか?』

「昼まででしたので終わってすぐ来ましたよ
貴方、風邪引いてるんですよねえ?
そんな物持って、冷却シートまでして一体何をされてるんですか?」

『家主から急遽掃除をしてくれと言われまして…
あ、でもちゃんと風邪薬もさっき飲んだので再開したところです
わりと進みましたよ』

安室さんは長い長いため息をつきました。

「どうして断らなかったんですか」

『断りましたよ!
でも交渉決裂してしまって…やらざるを得ませんでした!』

「でしたら代わりに僕がやっておきます」

『あ、でも蘭さんと園子さんがお手伝いで家主さんから派遣されてまして…今いらっしゃいますよ』

「ハイ…?」

『まあ、ちょっとイラッとしたことがあったので仕事に集中してたので…』

「手伝っていただかなかったんですか?」

『俺の仕事なのにさせたら申し訳ないじゃないですか
それにあんな仕事、女性に任せるなんて俺には…』

「…それが嫌なら僕に連絡してくださればすぐに来ましたよ
どうしてなんでも1人でされようとするんですか、自分の体調を考えてください!」

ずっと玄関で立ち話をしているのもなんなので上がってもらったら、抱き上げられてそのまま部屋に連れられてベッドに押し込まれてしまいました。

「体温測っておいてください
蘭さん達にお話してきます、後は僕がやるので」

『え、いや、あの、俺の仕事が…』

「だから仕事から離れてください!
仕事馬鹿なんですから風邪の時くらい仕事を切り離してください!」

また側にあったLe Mondeの朝刊で殴られました。
イケメンの制裁です。
しかし俺の家賃分の仕事はどうなってしまうのでしょうか。

…ねえ、仕事…
ちゃんと薬飲んだから仕事できるよ
お掃除が俺を待ってるっていうのに…
あ…でも副作用ですね、眠くなってきてしまいました…

「蛍さん、入りますよ」

ドアが開いて入ってきた安室さんは、すっかりお掃除マンの格好をしていました。
貴方、何でも似合いますね。
家庭的ですよ、本当に。

「家主さんと交渉しました
僕が掃除すればいいという事なので蛍さんは寝ててください」

『…すみません、俺の仕事なのに…』

「いい加減仕事から離れてください」

また容赦ない新聞攻撃です。
だからその新聞高いから雑に扱ってほしくないよ、お願いします。

「蛍さん」

『…ふぁい?』

ふわあっと欠伸を落として見上げたら、頭を撫でられました。

「今週の金曜日は空いてますか?」

金曜日…?
あれ、なんか聞いたことある曜日だぞ…

『まあ、まだ先のことなので空けられますけど』

「決まりですね、出掛けましょう
それまでにちゃんと薬も飲んでしっかり休んで程々の仕事をしていてくださいね」

『…はい』

何故だろうか。
これは、何か仕掛けられた罠か何かなんだろうか。
さっき聞いた情報が何故か一致しているぞ。

『安室さん』

「はい?」

『あのー…もしかして、美術館にでも行くんですか?』

「え…あの、何故それをご存知なんです?」

ほら…!
ほら、ほら!
秀一、どこでその情報得たんですか!?
ねえ、どういうことなの?

「バレてしまったら仕方ありませんね…
貴方が日本に関しては外国人観光客レベルだと仰っていたのでちゃんとした観光でもしようかと…
フランスでよくオルセー美術館に足を運ばれていたというお話を耳にしたので日本の美術館にもぜひと思いまして…」

『どこからそんな情報が漏れてるんですか…
貴方、まさかまた俺の端末にでも侵入したんですか?』

「……不本意なのであまり口にしたくないのですが、あの男が口走っていました」

え…秀一が…?
ということは…昨日まさか二人で話し合いでもしたんですか!?
あの二人が!?
信じられません…

『そういうことだったのか…』

確かに昔秀一にアメリカの現代美術館に連れて行ってもらった時に、オルセーが最高だとかなんか熱弁した記憶がある。

秀一、怒ってごめん…
なんか話が繋がってきたよ、そういう事だったんだね
余計なお世話とか言ってごめんね…

「ですが!
あの男の言った事なので癪ではあります…
あ、場所を変えてもいいんですよ?
金曜日は空いてることがわかったので、あの男の言いなりにならなくてもいいんですから」

いや、あの、そこは張り合わなくていいんだからね…?
俺、素直に日本の美術館とか行ってみたいので…

「では、金曜日までにしっかり体調整えておいてくださいね」

安室さんは部屋を出て行ってしまいました。
きっとお掃除に向かったんでしょう。

すごく楽しそうな顔してたけど、これは本当に世紀の告白大会第3弾開催が決定されたという事ですね…?
今度こそ期待してますってことですね…?
俺は、覚悟を決めないといけないということなんですね…?

『…蘭さん、勇気ってどうしたら出るんですかね
そういう勇気促進に効く物って何かあるんでしょうか…』

あ…眠いです…
もう寝ましょう、金曜日はなんとかなる筈です
とりあえず風邪を治すのが先ですね…

はあっと溜め息を吐き出して布団に埋もれて休息を取ることにしました。
一時の感情でイケメンに苛立ってはいけませんでした。
先輩イケメンまで俺の告白大会の開催に加担してますからね。

…そろそろ覚悟、決めますね






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