"一線を越える"未遂

朝起きたらイケメンがいました。
昨日は二人で夕方から水族館にお出かけなんて事をして帰ってきたのですが、その後の記憶があまりない。
ていうかさ、仕事残して水族館一緒に行ったんだけど貴方ここにいて良いんですかね。

『お仕事、どうしたんです…?』

「…おはようございますの前に仕事の話ですか」

朝一で呆れられました。
いや、仕事放り出して何してるんですかと呆れたいのはこっちですよ。

「昨日は貴方がいい年してはしゃいで車の中で爆睡されたので此処に運んだのは僕なんですけど」

『あ、寝てたんですね
道理で記憶がないと思ってたところでした
安室さんが運んでくださったんですか、ありがとうございます
でも俺を置いてお仕事行ってくださって構わなかったんですよ…?』

「部下には今夜別件で調査と言って断ってきましたよ、誰のせいだと思っているんですか」

はて
誰のせいだろうか…

ガシッと手首を掴まれた。

『……』

「貴方が手を離してくださらないからですよ!」

手!
この手か!
またお前か!

なんとイケメンの服をガッシリ掴んで、あろうことか片腕は贅沢にも背筋を堪能しておりました。
なんて手癖の悪い奴だ。

『す、すみませんでした…』

「構いませんよ」

ええんかい!
いや、貴方は自分がイケメンだという事を知らないんですかね、安売りはいけませんてば!

イケメンの手が伸びてきて頭を撫でられました。
朝からなんて仕打ちなんですか、ベッドで寝たままそんなことされたらまた俺寝ちゃいますよ。
ふわあ、と欠伸を落としてイケメンの胸板に潜り込んだら最高でした。
二度寝ルートまっしぐら。

「起きてくださいね」

体を縦にされました。
ですがイケメンの胸板から離れられなくなりました。
これは磁石か何かのような力が働いてるんでしょうか。
イケメンは磁界までも変えてしまうんですか。

『安室さん』

「はい」

『…なんか、とてもいい感じです』

「はあ…それは良かったです
あの、朝食がまだ手付かずなので離れていただいても構いませんか?」

『…それは少し寂しい気がします』

「貴方の朝ごはんがありませんよと言っているんです」

それは大事だ。
慌てて離れた。
少し呆れられました。
部屋を出て行った安室さんはやっぱりいつも通りイケメンでした。
朝から幸せです。
ですが昨日までの山積みのお仕事のせいか、なんとなく左耳が遠いですね。
困りました。

…あ、補聴器のメンテナンスも忘れてた
そろそろ行かないとな…
あー、でも最近本当仕事漬けだったな、ベッド最高…
ほんとに二度寝しちゃいそう…

パタリと倒れ込む。
眠気の再来です。
考えてみれば最近まともに寝た記憶がありません。
仕事仕事とかいってハッキングしまくってた代償でしょうか。

おやすみ、世界…
もう少し休ませていただきます…

30分後。

「蛍さん、朝ごはん出来たので冷める前に食べてください」

いきなり体を揺すられました。
ちょっと待って、俺、もうちょっと寝てたいんだよ。

「蛍さん、聞こえてますか?」

え、何、地震ですか。
それにしてもこんな揺れなくないですかね。
なんか肩がすごい、ぐわって掴まれてるような気がするんだけど気のせいかな。

「蛍さん!」

あ、なんか聞こえた気がする。

『んー…』

「起きてくださいね、三度寝は許しませんよ」

それにしても長い地震です。
これは避難勧告とか出てるんでしょうか。
流石に命の危険なのでは、と思って目が覚めてきました。

『……』

「蛍さん、起きてください」

なんとAEDばりの緊張感漂うイケメンに起こされていました。
地震じゃなくて良かったです。

「やっと起きてくださいましたね、これ以上起きなかったらベッドから突き落とそうかと考えていたところでした」

ん…?
さっきより声が遠くなってるぞ…
まだ寝ぼけてんのかな…

上半身をゆっくり起こしてぼけーっとイケメンを眺める。
目の保養ですね。

「冷める前にご飯を食べてください」

イケメンが何やら喋っています。
所々拾えているので完全にダメにはなっていないようです。
左側で手を叩いてみたけれど、微かに音を拾ったくらいだ。
まあ、労働後の全機能停止状態よりはマシです。

「蛍さん、聞こえてますか?」

左側から大きめの声で言ってくださったのでこれは流石にわかりました。
小さく頷く。

「ベッドから突き落としますよ!良いんですか?」

どんな起こし方ですか、流石に酷いですよね。
首を横に振ったらご飯です、と言われてしまった。
仕方がないので起きることにしました。
とりあえず軽くシャワーを浴びてからダイニングに行ったら、今日は珍しく丼が置いてありました。

え、朝から丼…?
流石に重たくないですか、いくらイケメンご飯だからってこれは…

丼の中身を見てちょっと納得しました。
お粥です。
しかもなんかちゃんと由緒ある中華料理店で出てきそうな。

「昨日からはしゃいでいつもと少し様子が違ったので気になってはいたのですが、やはり調子が悪かったんですね
微熱ありそうでしたよ」

『"すみません、もう一度お願いします"』

流石に向かい側に座られると、その距離では声がモワモワして聞き取れなかった。

『"なんとなく聞こえてはいるんですが、言葉が認識出来ません
もう少し大きな声でお願いします…"』

「昨日、貴方の様子がいつもと違ったので心配していました!
体調も良くなさそうですし、微熱がありそうでした!」

お、伝わってくれた。
このイケメンは飲み込みが本当に早くて助かります。
秀一並みに話せるのはもうあと数日というところでしょうか。
凄いです。

『"すみません、体温計がないのでわからないのですが…
言われてみれば少し怠いかもしれません"』

あ、それでお粥だったのか!
何これ、イケメンて体調の変化を感じ取るセンサーでもついてるんですか!?
凄くないですか、この適応力!

「とりあえず冷める前に食べてください!
そしたら今日はゆっくり休んでくださいね!」

小さく頷いてスプーンでお粥をいただいた。

あ、美味い…
めっちゃ美味しいです…
神様、こんなに美味しいお粥は本当に久しぶりです、ありがとうございます…
とってもまろやかです、イケメンご飯は気分まで落ち着かせてくださいますね、最高です…!

朝ごはんでも安室さんはやっぱり俺を眺めていました。
未だにこれもリラックスタイムなのかは謎です。
とにかく美味しいです。

『"ごちそうさまでした
とっても美味しかったです!"』

「"それは良かったです
今日は仕事したら殴りにいくつもりでいますから、ちゃんと休んでくださいね"」

ちょっと。
笑顔で怖いこと言いましたよ、この人。
以前受けた右ストレートの力は体が覚えているのでちょっと恐れおののいています。
とりあえず頷いておきます。
逆らわないのが一番です。
ソファーでゴロゴロしていたら、安室さんは俺の肩を叩いた。

「僕はポアロに今日いますから何かあったら連絡してくださいね!
仕事は禁止です!
5分仕事をするごとに1発殴るという計算でいかがでしょうか?」

とりあえず頷いておきました。
恐ろしい制度です。
安室さん、昨日は表仕事で今日はバイトなんですね、お疲れ様です。
俺より仕事してるのは安室さんなんじゃないかと思う。

『"…あんまり、無理しないでくださいね"』

「貴方ほど無茶はしていませんよ!」

あ、地味に嫌味を言われています。
目線を合わせるようにしゃがんだ安室さんの顔が近付いてきて思わず背もたれギリギリまで仰け反りました。
相変わらずイケメンです。
コツンと額が重なってかなりの至近距離です。
心臓が過活動を始めてしまいそうです。

ねえ、思ったんだけど、毎回こうじゃなくていいよね?
秀一とか、普通に手で自分の額と比べてますけど貴方は何故こうも毎回毎回心臓に悪い方法で体温を測られるんです?

「やっぱり微熱ですね!
夕方までに戻りますからね!」

もうどうにでもなれよ。
至近距離で目が合いました。

あ、心臓が頑張り出しています…
あの、やっぱりちょっと近いですよ、こんな距離だとほんとにチュー出来ちゃう距離ですよ…!

にっこり笑ったイケメンはちょっと裏がありそうな笑みをしていました。
直後、額に、何かが、触れました。
これは言わずもがなアレです。
アレです。

「行ってきます!」

完全に魂を抜かれました。
そうしてる間に安室さんは出掛けていってしまい、暫くして自我を取り戻した。

『"……"』

ヤバい…ヤバいです!
な、なんとイケメンからおでこにチューされました、どんな仕打ちですか!
行ってきますの前にチューですか!
ほ、本当にお友達以上の関係ですよ!

足をバタバタさせて悶絶していたのだが、疲れて再び沈黙。
しかし暇だ。
テレビをつけてみたけれど、まあ、大音量でニュースを眺めてとりあえず日本情勢を勉強しておく。
頭は回らないが参考程度に見ておくだけだ。

日本とフランスとじゃ、同じ国際問題でも報道のされ方が違うもんねえ…
日本のマスコミの伝え方もフランスとじゃ違うし、まあ、何より日本はバラエティー番組多くて楽しいけど字幕は出ないし今日はテレビ見てもなあ…

溜め息を吐き出してテレビを消した。
他にする事がない。
仕事を取り上げられたのだ。
ハッキングも仕事の対象に入るのだろうか。

いや、ただのハッキングなら仕事じゃないよね?
ていうか安室さん、ポアロにいるんだし別に監視されてるわけじゃないんだから仕事したってバレなくない!?
そうだよ!
あれはただの脅し文句だったんだ!

そう解釈することにした。
見たところ監視カメラを取り付けられた様子もないし。
ゆっくり起き上がって部屋に向かい、パソコンの電源を入れた。

ネットサーフィンでもしてハッキングして、それからたまには秀一と電話でもするかな
そしたら…お昼過ぎるだろうしポアロに散歩でもいいかな
よし、そうしよう

上機嫌でインターネットに繋ぎ、ネットサーフィンしながら時々ハッキングして情報を仕入れていた。

[5minits passed]

ん…?

突然画面に警告画面が表示された。

なにこれ…
ていうか5分経過…?
これが警告なの?

こんなプログラムを設定した覚えはない。
ちょっと怖くなったのでハッキング対策のプログラムを開いてみたら、何か余計な設定をされていた。

な、な、何これ…
まさか俺のパソコン、侵入された…!?
嘘だろ、ヤバい、早くこれ解除しないと…

慌ててこの変な警告を出しているプログラムの解体に着手する。
そうしてる間に[10minits passed]の警告が出てきた。

うわー、何これ!
ヤバいヤバい、完全にハッキングされた!
クソ…

するとスマホの画面が光ったので、受信したメールを開いてみたら安室さんだった。

[仕事はしないお約束でしたよね?]

…え?
なんで…?
ちょっと待った、状況を整理したい…
何故俺がパソコンを使用しているのを知られているんだ…?

それから、さっきは聞き流していた安室さんの言葉を思い出してだんだんと話が繋がってきた。

5分仕事をするごとに1発殴る…
ま、まさかこの5分経過の警告って…
それになんかこの横のカウンターの数が増えていってるのは、俺の殴られる回数ですか!?
とするとこれ弄ったの安室さんですよね!?
だから俺のパソコン使用状況もわかられてるっていうわけですか!?
何してくれてるんですか!人の端末に!

話がわかったぞ。
試しに15分まで待ってみた。
すると、案の定画面には[15minits passed]の警告、そしてカウンターが3になった。

うわー!
3発も殴られたら俺死ぬよ!?
この前喰らったのがいくら秀一の攻撃とダブルだったとはいえ、安室さん単体の3発はあれ以上かもしれませんよ!?
俺を殺す気ですか!?

イライラしてパソコンの電源を落とした。
ハッキングもテレビ電話も出来ない。
なんて日だ。
非常につまらん。
たった一人で、パソコンも取り上げられて何をしてろというんだ。

もうヤケだ、寝よう!
ふて寝してやる!

泣きたい気分に駆られながらもベッドに潜り込んでふて寝することにした。
思いの外ぐっすり寝てしまったので、体の怠さはだいぶ良くなった。
暫くベッドでゴロゴロしていたのだが、スマートフォンの時間を確認してガバッと体を起こした。

え、もう17時前!?
ポアロ行く時間あるかな?
予想以上に寝てしまった…誤算だった…
いや、でも今日外出したとして無事にポアロに辿り着けるだろうか…?
今日の単独外出は少し危険だな…
でもポアロ…

どうしようか迷っている間に30分くらい過ぎてしまって、とりあえず夕方のニュースでも眺めようかと部屋を出たら、丁度イケメンがリビングにやって来ました。

…あれ、安室さん、シフトもう終わりなの?

とても笑顔でした。
怖いです。
これから3発もイケメンのストレートが入ってくるのかと思うととても恐ろしいです。
確実に救急車沙汰です。

し、しかしイケメンですね…
働いてきた後とは思えない程爽やかですね、貴方…

半分投げやりになってソファーに座ったら隣にイケメンが座ってきました。
いつ殴られるのでしょうか。
とても恐ろしいです。

「ただいま帰りました」

左耳のすぐ側です。
なんとか聞き取れます。

『"お、お帰りなさい…"』

とりあえずそう伝えておく。
次に何を言われるか全く想像が出来ない辺りもう恐ろしい。
すると腰を引き寄せられて突然のリラックスタイムに突入してしまいました。

んん?
てっきりお説教が待ってるのかと思ったよ…

安室さんの顎が肩に乗っかっています。
寝たばかりですが癒しの効果なのか少しウトウトしそうです。

「蛍さん、仕事はしないようにと言いましたよね?」

あ、そうだ。
俺も言いたいことがありました。

『"人の端末に勝手に何してくれてるんですか!"』

流石にこれは文字に書き起こした。
振り返ったら今度は頬にアレが当たりました。

『"……"』

うわあああ、事件ですよ!
イケメンからの本日二度目のキスです!
イケメンは俺をどうやってじわじわと甚振るつもりなんでしょうか…
また心臓の過活動でも起こさせるつもりなんでしょうか…

「そうでもしないと、貴方勝手に仕事するじゃないですか」

いや、そうだけどね…
そうじゃなくてね、プログラムを勝手に改変するなという話ですよ
プログラム書き換えてまで仕事を阻止する人初めて見ましたよ

「使用時間は16分24秒でしたので、お約束通り3発殴りますからね」

え、待って…
まさかこの距離でですか!?
そんなの死ぬに決まってるじゃないですか!
こんな至近距離であんな代物3発喰らったら傷害事件ですよ!?

イケメンは笑顔です。
とても恐ろしいですね。
こうして組織と公安を渡り歩いてるんですね、流石食えない方です。
安室さんが拳を握ったので、もう覚悟しました。
ギュッと目を瞑って念仏でも唱えようとしていました。
走馬灯を見る覚悟もしました。

さあ、来るなら来い!
どうにでもなれ!
イケメンに殺されるなら本望です!

コツン。

…ん?

そっと片目を開ける。
するとイケメンの拳は額にまたコツンと当てられました。
全然、痛くないです。
3発目のコツンをされてキョトンとしていたらイケメンは笑って俺のことを枕みたいにしてギュッとしてきました。

何これ、何のギャグなんですか…?

「蛍さん、本気で僕が殴るとでも思ってたんですか?」

小さく頷いたらイケメンはまた笑いました。

「随分警戒されてしまいましたね
僕が貴方にそんな事をするわけないじゃないですか
馬鹿ですね、本当に…」

首筋を甘噛みされました。
今日のイケメンはお疲れモードなんでょうか。
とても甘えられています。
同時に俺もリラックスしてしまうのでこれはちょっと危険です。
今日は3回もキスされたぞ。
でも、まだ本番てしたことないんだよね。
これがきっと、人生の先輩イケメンの言う一線の事なんでしょうか。

一線を越えるっていうのは、お友達以上の関係が進化するんだよね…?
そしたら何だ…?
友達以上…?
友達以上…って、何?

うーんと考え込んだらイケメンの手が動きました。

「"蛍さん、自分の体は大切にしてください
さっきまで寝たらしたんでしょう?
布団の匂いがまだ残っています
今日、少しはゆっくり寝られましたか?"」

控えめに頷いた。

『"おかげさまで怠さはもうなくなりました
安室さんこそお疲れでしょう?
ちゃんと休まれてますか?"』

「"はい、休んでますよ、今"」

完全にリラックスタイムなんですね、これが。
わかりましたよ。

この至近距離でイケメンと目が合って、見つめ合ったら皆さんどうしますか?
今日はお疲れのイケメンです、少しこっちが強気に出ても良いんじゃないでしょうかね
秀一、一線を越えるとどうなるのかちゃんと身を以て体験しますね…

心臓がまた過活動を始めました。
しかしこれは勝負所です。
そっと右手でキツネを作る。
左手でキツネを作ろうとしたら、指先がぶつかりました。

え?

イケメンの右手のキツネとぶつかりました。
きの字を作った両手が表す手話の意味、まさかご存知ないとは思います。
教えてませんし。
ですが、この光景は明らかです。

『"……"』

「あ、照れましたね」

えっ、まさか、意味をご存知なんですかね…?

『"な、なんの事かわかって言ってらっしゃるんですか!?"』

「"ええ、一応…"」

『"だ、だって俺、まだ教えてませんよ!?"』

「"すみません、なんとなく気になったので調べてしまいました"」

な、何それー!
俺から教わるのが報酬の筈でしたよね!?

しかしこれは美味しい状況である。
ちょっとドキドキしながらもう一度キツネを作ったら、ちょっと食い気味にイケメンのキツネがやって来ました。
照れます。
普通に照れます。

…一線を、超えました

「実践しますか?」

ちょっと楽しそうに笑ってるイケメンに何か言われたのですが、ちょっと聞き取れませんでした。
首を傾げたら、なんでもありませんと首を横に振られた代わりにキツネに食いつかれました。

ひええぇ、イケメンとキスしてます
普通に照れます…!
照れない方がおかしいよね!?
ていうか意味わかられてるなら尚更恥ずかしいというか照れます!

「貴方がこの前の告白をちゃんとしてくれたら、実践しましょうね」

左耳の本当にすぐ側で言われたので理解しました。
この人、俺の事何でもお見通しです。
恐ろしいことに。
このイケメンに弱点というのはないのでしょうか。

イケメンすぎるー…
あ、安室さんと手でキスしてます、事件です
報道局…号外を出しましょう、俺の魂が抜けそうです…

照れて仕方ないのでイケメンの胸板に潜り込んだら、優しく頭を撫でられました。
幸せです。
なんかもう、一線を超えましたね、きっと。

すみません、あの、このイケメン欲しいです
一家に一台的な
ずっといてください、出来れば
あの、ほんとに、告白大会第3回目を行いましょうかね、そろそろ

「僕は、きっと貴方が今思っているのと同じことを考えています」

ギクリとして硬直した。
本当に何なんですか、このイケメンは。
なんでもお見通しマシーンですね。

『"今度します!"』

「"貴方、この前も今度って言って言い逃げしましたよね…?"」

痛いところを突かれた。
それでも今度は今度、前回は前回。
ちゃんとしますよ、世紀の大告白第3弾です。
でも今は、こうしてゆったりするのが一番です。
お互い疲れた身ですので。

あったかいですね、布団並みの癒し効果、マイナスイオン大量発生です…
今日はお互い甘えモードなのでなんだか不思議な感じですが、とても心地いいです
イケメンは偉大ですね…

いつの間にか右手は握り締められていて、今夜はベッタリしていました。
仕事の後にはこんなご褒美があるんですね、神様。
もっと仕事頑張ります。







[ 43/64 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -