2 | ナノ

……よし、着いた。さすがにジムリーダーの居る場所までパネルは無い為安心して歩ける。
「レッド、お前カントーに帰って来たなら言えよ!」
短い数段を昇って、とうとう対面した。ぼくのライバル、グリーン。
さっきまでぼくがこのジムの仕掛けと戦っている光景に高みの見物を決め込んでいたかと思えばこれだ。
「驚かせようと、思ってね」
既に勝負は始まっているのだ。どことなく嬉しそうな彼に、しかしレッドは持てる限りの凄みを込めて言い放った。
「へっ、そういうことか。まんまとやられたぜ……!」
グリーンも、今の言葉で気付いたらしい。
ここで気を抜いてはいけない、相手に弱みを見せたら負けなのだと。
「……ところでグリーン」
「ん、おう」
少しの間睨み合っていた2人だが、こんなことをしている場合では無いことに気付いてトーンを普段のそれに戻した。
彼は気を抜いて腰に手を当て、片足に体重を預けている。
「PWT、ポケモンワールドトーナメントのこと知ってる?」
そして彼は本題を切り出した。



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