コレコレコレの続き。

読まなくても大体わかるハズ。
※軽く不健全(性描写はナシ)





「やっ…、総ちゃん離して…っ!」


部屋に響くのは名前の拒絶の声だけで、俺は一言も喋らない。彼女の抵抗なんて男の俺にとっては無いものに等しく、嫌がりながらもあっさりと床と俺との間に収まってしまう姿に、何とも言えない支配欲を掻き立てられる。


「ど、して…っ…総ちゃ、」

「たまたまその気になったでけでィ。アンタは大人しく抱かれてろ」


俺に組み敷かれても尚、どうしてと理由を問う彼女に、今の自分なりの最高の笑顔を貼付けて言ってやった。俺の胸板にあてられていた彼女の手にはもう力は入っていない。それを肯定のサインと受け取って、俺は行為を再開する。


「そ、ちゃ…んっ、」


頬を赤く染めた彼女が少し熱を含んだ声で俺の名前を呼ぶ。それで十分だと思った。否、十分だと思っていたはずだった。なのに、巡察から帰った時に見た光景が頭から離れない。土方と二人で話す、コイツの姿になんだか無性に腹が立って、それはただの嫉妬なんかじゃなくて、嫉妬の中に焦りや不安、怒りなどの色んな感情がドロドロに混ざり合って、自分でも何をしているかがわからなくなった。


「ふ……うっ、総ちゃん、総ちゃん…そ、ちゃ」


"なあ、アイツと何話してたんでィ"
そう聞けば済むはずだったのに、今更後悔する俺はなんて最低なことを彼女にしているんだろう。そう思いながらも行為を続ける俺はこんなにも醜く、汚い。


泣きながら俺の名前を繰り返し呼ぶこの女が愛しい。愛しくて、愛しくてたまらない。誰にも渡したくなくて、誰の目にも映させたくなくて、いっそ彼女を一生地下に閉じ込めてしまおうかなんて馬鹿なことを考えたこともある。それでも俺は知らない。彼女を上手に愛する術を、彼女に想いを伝える術を。だからこそこんなにも気持ちが焦る。ヤツは、土方は、俺が知らねェその術を知っている。そして俺と同じように彼女を心の底から愛している。


ぼたり、無機質な液体が俺の目から君の身体へと一粒落ちた。



きみにきこえないようにいのる
「ごめん名前、愛してる」

title by joy

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