「ねえ、アレン」
「なんですか?」
「あたしより先に死んじゃわないでね」
「当たり前じゃないですか」
「そっか、」
最近の彼はあたしからすればすごく不安定で、今にも崩れてしまいそうに見えた。初対面で『長生きしそうにない面してる』と思ったあたしの直感があたったのか、実際今の彼は包帯でぐるぐる巻きにされている。
「、痛む?」
「少しだけ」
「……ごめんね」
「なんで名前が謝るんですか」
「アレンたちがこんなに頑張ってくれてるのに、あたしは包帯を巻くことくらいしかできない」
「それだけで僕は充分ですよ」
「あたしも…エクソシストだったら良かったのに」
残念ながらあたしはただの人間だ。無力で非力な、守られる側のちっぽけな存在。
「僕は名前がエクソシストじゃなくて良かったです」
「なんで?」
「君をこんな危険な目に合わせたくない」
そう言って彼はまた消えそうな笑顔で笑った。笑顔の彼とは反対にあたしの目からはぼろぼろと涙が溢れ出る。嗚呼、君は一緒に死なせてすらくれないのか。
「アレン」
「…泣かないで、名前」
「アレン……痛、い?」
「うん、すごく」
「なら良かった」
「あはは、酷いなあ」
痛みは貴方がまだ生きてるって証。
酷く歪んだこの世界で、君と一緒に死ねたなら