少女漫画ではよく、『初対面は最悪だった』みたいな展開がある。あたしもある意味それに当てはまるのかもしれない。もっとも、あたしがアイツに対して思ったのは『コイツ、今すぐにでも死にそう』だったけど


「高杉、タコさんウィンナーいる?」

「いらねェ」

「卵焼きもあるよ」

「いらねェ」

「高杉が"卵焼きはおかずだろ?おかずの分際で甘いなんてのは認めらんねェ"って言ってたから甘くないやつにした!」

「…しつけェな、いらねェ」


毎日こんなやり取りがあって、だけど高杉はあたしの気遣いをいつも受け取ってはくれない。


「……(しゅん)」

「…………なんだよその目は」

「……ハンバーグもあるよ」

「よこせ」

「へへ、言うと思った!」


まあ、好物であれば素直に受け取って、というか半ば強制的に奪われるんだけど…。


「おいし?」

「チーズ入りってとこに感動」


それでも美味しい、と言われれば素直に嬉しい、と思う。とりあえず私は心配で心配で心配なのだ


「ご飯、ちゃんと食べてる?」

「昨日はカップ麺食った」

「もー…、ちゃんと食べなきゃって、」

「お前、母親みてェだな。何でそこまで俺に構うんだよ」

「え、」


だって君が好きだから

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