「愛されるより愛したい」とかよく聞くけど、俺的には愛とかそーゆうの実感したいタイプなんさ。なのに俺の彼女といったら…、ねえ?


「名前ちゃん」

「なに」

「今日放課後遊び行かねー?」

「やだ」

「なんでさァアァアアァアア!」

「ちょ、うるさいラビ。騒がないで苛々する。」

「じゃあ遊び行こうさ!」

「あたしの貴重な労力が無駄になるじゃん」


この通り、俺の彼女はありえないくらい俺に無関心です。むしろ冷たいです。ドライアイスも真っ青です。ドSです。いやでも俺はむしろこっちの方が興奮す…、げふんげふんっ!今のナシな!俺の性癖は今は問題じゃないさ!


「ラビくん、またふられちゃったの〜?」

「可哀想〜!うちらが遊んであげる〜」

「えー、みんなやっさしーい。みんなでカラオケでも行くさ?」

「「行く行く〜っ」」


ほら、普通の女の子なら黙ってても俺のことチヤホヤしてくれるのに。名前は違うんさ。あー、心臓ズキズキする。


「なー、やっぱ今日遊ぼーさ」

「…やだってさっき言ったじゃん」

「だって今日名前用事ないはずさ?だから久々にどっか…」


そこまで言いかけて俺は自分の目を疑った。


「……、名前…?」

「…っ………、なに」


泣いてた。泣かした?え、俺が?なにした?え、え、え、!ちっさい脳みそでぐるぐる考えても出てくるのは?マークばっかりで、だけども俺がうろたえているうちにも名前の涙が止まることはない。


「ねえ、…らび」

「は、はいっ」

「……も、別れよ?」

「……、俺なんかしたさ?」


何回聞いても首を横に振る彼女。だったら尚更わかんねぇ。誰よりも何よりも大切にしているつもりだった。喧嘩だって一度もない。


「あと何回好きって言えば名前に伝わる?」


俺が一方的に大好きで大好きで一日に何回も告白しに行った。最初のうちは何か言う前に「無理」の一言で片付けられていたが、最終的には『あたしも好き』って真っ赤ではにかむ可愛い彼女からはっきり聞いたはずなのに。


「じゃあ、あたしのどこが好き?」

「全部」

「こんなに冷たく接してるのに?」

「…それでも、俺は名前の全部が好きさ」

「全部ってどこ?あたしの何を見て言うの……?」


半ば叫び気味に彼女が言ったその言葉でピンときた。なんだ、そういうことか。座っていた席を立ってがらっと窓を開ける。窓の下には俺を待つさっきの女の子たちがいる。


「ラビくんまだー?」

「ごめんさ、俺今日いかない!てかもうみんなとは遊ばないさ!今までありがとな!」


それだけ言って窓を閉めた。女の子たちのぶーぶー言う声が窓を閉めた今でも聞こえる。我ながら俺って最低かも。暮れかけた夕日が赤く照らす教室。目の前には今だ泣きじゃくる彼女。そして予定がなくなった俺が1人。


「名前だけが好きさ」


我ながらクサい台詞だなーなんて思ったけど想像以上の速さで彼女が抱きついてきてくれたから助かった。なんちゃって


「俺の気持ちわかった?」

「っ、…ごめん、ね…」


なんて泣きながら言うから、思わず抱きしめる腕にぎゅうって力を込めれば、「ラビ、だいすき」なんて可愛いことを言うから俺はまた一つ君のことを好きになる。


無関心彼女
(ただちょっと愛情表現がヘタクソなだけ)

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