深夜2時38分草木も眠る丑三つ時。日付などとっくに変わっているその時間に不意に目が覚めた。瞬間、体中からサーッと血の気がひいていく。
「やべ、今日辰馬の誕生日じゃん」
「「はっぴばーすでーつーゆー、はっぴばーすでーつーゆー」」
「アッハッハッハッハッハ」
「高杉!名前!何をしている!早くこっちに来てまざらんか!」
「死んでも嫌だ」
「右に同じく」
「アッハッハッハッハッハ!わしの誕生日は祝いたくないっちゅーか?アッハッハ……泣いていい?」
「ほら辰馬しょげちゃったじゃねーかよー」
「そりゃ辰馬の誕生日はおめでたいけどさあ、たんなへったくそな歌ん中混じるくらいなら死んだ方がマシ」
「どんだけ音痴なら気が済むんだテメェら」
「んだとコラァ!……あ、そうですよねぇ、チビ杉様には歌の良し悪しなんかわかりませんよねぇ?どうもスミマセンでしたぁ」
「……ハッ、上等じゃねェか。言っとくけどなァ、俺ァ音楽と体育だけは5以外とったことねェんだよ!テメェの3とはレベルが違ェんだよ!」
「それがどうしたばーかばーか!あんな紙切れ一枚で俺の何がわかるってんだよ!」
「ほォ、そんなに言うなら試してみるか?」
「おう上等じゃねぇか!今日の放課後いつものカラオケ行くぞ!」
「受けてたってやらァ」
「どうやら放課後カラオケで坂本の誕生日パーチーが開かれるらしいぞ」
「いや違うと思う。」
「アッハッハッハッハッハ、しょうまっこと楽しみぜお!」
「お前も信じるな」
3回廻ってワンと鳴け