「アレン今日もかっこいいね!」

「だまれゴミ虫」

「ひどい!」



私の朝は決まってこのやりとりから始まる。返って来る返事はこんなにもそっけなく寂しいものだけれど、私にとってそれはとてつもなく大事な習慣となっていた。



「ねえ、ラビ男くん」

「誰がラビ男さ」

「アレンって何であんなかっこいいんだろう」

「……そんなにアレンのこと好きなんさ?」

「え?」

「いやいや、え?」

「……好きとかじゃなくてなんかかまいたくなる」

「……それって好きってことじゃないんさ?」

「え、そうなの」

「もしかして今までなんとなくでアレンからかってた?」

「あはは、………え、違うよ」

「うわ、さいてー」

「…………………。」



いや、好きなんだ!でもちゅーとかしたいと思わないし。でもアレンが他の子と話してるとどうしようもなく泣きたくなったりもする。神様、これが恋ってやつなんですか。これが青春ってやつなんですか。ついに私にも青い春来ちゃったんですか。ラビと別れた後、一人もんもんと考え込む。



「ねー、アレン」

「なんですか」



さっきまでリナリーと笑い合ってたくせに私には背を向けて話すから、あたしはそれがどうしようもなく嫌で、嫌で、嫌で嫌で嫌で。



「この問題どうやんのー」

「知らないです」

「嘘つけ」

「ちょ、こっち見ないで下さい体が石になる」

「え、あたしメデューサなの?」


(………さっきリナリーに教えてたクセに)


「ね、教えてよ」

「本当わかんないですって。ザビエルのあの面白ヘアの理由なんて」

「そんなん聞いてないよ」


(………ああもう、やだ。泣きそう)


曖昧フィーリング

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