( あれ、どうゆう状況なんだろうコレ )
終学活が終わり、クラスの誰よりも早く帰宅することを活動とする部。略して帰宅部のあたしは急いで帰ろうと教室を出た、ハズ。
「名前?どうしました?」
それなのに今あたしの隣にいるのはきもいぐらい優しいアレンだ。
「いや、別になんにもないよ。強いて言うなら幻覚が見えるってとこかな」
「2、3発殴りましょうか?」
「嗚呼良かった、ちゃんと現実だった!もう大丈夫なので拳をおろして下さい。」
チッと舌打ちをして拳を下げる彼は確かにいつものアレンなんだけど、どこかいつもと違くてあたしは戸惑いを隠せずにいる。
「映画でも見ませんか?」
なんていうこいつは誰なんだろうか。
* * *
『こちらのKの17と18のお席でよろしいでしょうか?』
ガラス越しに受付のお姉さんがフリップを見せる。あれ、なんか恋人みたい。これはこれで幸せかも…
「あ、席一個分開けて下さい」
えぇえぇぇえぇえぇ!なぜ!ほら、受付のお姉さんめっさ困ってるじゃん!今までに無い例だよコレ!一緒に映画来といて別々の席ってどういう関係だよ私たち!
『え、ええと、それでは、こちらのKの15と17でよろしいでしょうか?』
「はい、ありがとうございます」
意図が読めない
(わああああああ!間にマッチョなおじさん座ってきたああああ!)