( ああもうどうしよう、 )
「名前、」
「あ、ああ、アレンっ、なな、な、なにっ?」
「いや、あの…何でもないです」
( 何やってんだ僕は… )
「そそっ、そっか!じゃあバイバイ!」
「………、まだ一限おわったばっかですよ」
「あ、そ、そうだった!えへへへへへへへ」
「笑い方きもい」
僕が名前を泊めたあの日から名前の様子が変だ。いや元からアイツは変なんだけど。いやむしろ変態なんだけども。そしてあろうことか僕もなんだかおかしくなったらしい。あんなに毛嫌いしてたあいつに自分から話しかけるようになった。
「アレン、アレンっ!荻っちが名字に告ったんだって!」
「え、」
( まさか、つきあう、とか? )
『私の中の荻原くんは土以上ダンゴムシ以下なのでごめんなさい無理です。ついでに言うと大嫌いです。ゴメンネ!』
「って言われたんだって!流石名字!って感じ?すげくね!」
「俺あんな女初めて見た!」
「なんかちょっと気になっちゃうわー」
「……っ!おい、田中っ!田中!」
「……………、え?」
いきなりのことに思考が追いつかない彼は白髪の少年により頭を鷲掴みにされる。
「気にならないでください。あと簡単に話しかけないでください。アレ僕のなんで」
そうにっこりと笑って言った彼は明日から「微笑の悪魔」と呼ばれるようになることはまだ誰も知らない。
嫉妬の仕方さえ知らない
(ねー、らびー、最近クラスの男子があたしのことしかとする)
荻っちこと荻原くんはちょいちょい出てくるキーボーイ