ヘタレは笑顔に弱い
暑い夏…夏はいつも思うが暑い。それは誰でも分かっている。でも、彼はひたすら待っている。
「あーちぃ…マジで干からびるぜ」
アイスをくわえながら、ぶつぶつと言っているのは赤茶の髪の毛が特徴の、柴田悠茉だ。
悠茉は見た目はイケメンだ、悠茉自身自覚はしてない。
「てか時間に遅れてるじゃん何やってるだ?アイツ」
悠茉はイライラしているが、アイスをくわえているのか怒ってる様に見えない。
すると、待ち合わせのコンビニから茶髪の少年がハニカミながら来た。
「悠茉君遅いな〜僕もう一時間ぐらいから待ってたよ」
「あっ彩兎…もう来てたなら呼べよ!」
「だって悠茉君が暑苦し所見てたら楽しくなって来てね」
この笑顔が優しいが、ちょっとサドなのは悠茉の友人、森乃内彩兎だ。
悠茉はちょっとだけ背筋に何かを感じた。
「彩兎って怖いな…」
「何か言ったかな?遅刻の悠茉君?」
「すみません」
悠茉は彩兎には頭が上がんない。時々怖い事を平気で話すからたまにビビるらしい。
一方の彩兎はそんな悠茉を見るのが楽しいと思ってる。
「じゃ悠茉君、僕にアイスを奢ってくれたら許すよ!」
「…分かったよ!奢る!」
彩兎は嬉しそうな顔をして悠茉を見てた。そんな彩兎に振り回される悠茉は、ある意味苦労人だ。
「ハーゲンダッツヨロシクね!」
「高いわ!」
コンビニの前で繰り広げられる会話は、まるでお笑い漫才みたいだ。
暑い夏、男二人でやってる漫才は見ててとても爽やかになるのであった。
end
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