電車を乗り継いで、ちょっと遠出したショッピングモールで、桃太郎一行はいつか見た四人組と遭遇した。
前にアイスを食べに行った時に仲良くなった、不思議な四人組。

桃はそのうちの、目立つ金髪の少女───由希に迷わず駆け寄った。


「あっ、桃!走るな!」
「ゆっきー!久しぶりぃ!」
「ん?桃……あー!桃ちゃん!」


由希は屈託のない笑みを浮かべて、抱きつく桃を受け入れた。
まるで感動の再会のようで、お供三人は苦笑いをする。

一真はその中で一際小さい一人の少女にこりと微笑みかけた。


「彩鈴ちゃんたちも買い物?」
「ええ、あなたたちもですか?」
「桃に付き合わされたんだよ」


少女───彩鈴の言葉に、祐樹はため息をつきながら言った。
その表情は嫌そうにムッとして歪んでいるが、心中はそうでないことは誰が見てもわかった。


「奇遇だな。俺も女子に無理やり付き合わされた」


一方、こちらは完全に嫌々というような顔で、黒髪で険しい顔の少年───源輝は言った。
すると横にいた茶髪の少年が調子のいい笑顔で言う。


「俺は別に嫌いじゃないんだけどね?女の子の洋服選んだりするの。だからげんげんはカノジョ出来ないんだよ〜」
「お前に言われたくない」
「あぃでっ!殴ることはないでしょ!」


源輝に殴られた頭をさすりながら、茶髪の少年───優羽は唇を尖らせた。

すると源輝はため息を一つついて、スタスタと歩き出す。


「あれ?げんげん、どこ行くの?」
「向こうのフードコートで休んでる。終わったら携帯に電話しろ、付き合いきれん」
「えー?そんなぁ」


優羽が止めるのも聞かず、源輝は歩いて行ってしまった。
その背中を見送りながら、桃は呟く。



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