不思議な女の子に、出会った。

とても小さくて、でも人のことを真っ直ぐに見る女の子。







いい天気だからアイスが食べたいと桃が言った。


「コンビニで買ってこいよ」
「それがね、本日限定で、駅のところのケーキ屋さんがアイスを出すらしいの」
「あぁ、そういえばそんなこと聞いた気がする」
「行こうよ!!」
「え」


マスターの言葉は絶対。俺らはそれに付き合うはめになった。
桃と、俺と、祐樹と、純平とで、駅まで歩く。

だんだん見えてきたケーキ屋は、もう既に人数はまばらになっていた。


「……もう売り切れたんじゃね?」
「買う、買えるよ多分!」
「……その自信は何処から」
「とにかく!急いで並ぼう!」
「ちょ……!」


桃はガッツポーズをしてから駆け出す。
それを祐樹が慌てて追いかけようとしたところで──目の前に、急に人が現れた。


「なっ……!?」
「え、あ!?」
「きゃぁぁ!」


その瞬間、ドスン、という衝撃音。
俺は驚きつつもその様子を眺めていた。

──何もない空間から、人が現れたように、見える。
さっきは、何もなかったはず。


「いったい……」
「桃!このバカ!飛び出すなよ!」
「ごっごめんなさいごめんなさい!もう!げん君がちゃんと力加減しないから!」
「北村……それは力使うのは疲れるから嫌だと言った俺に言う台詞なのか」
「だっ……だってアイスみんなで食べたかったんだもん!!」


空間から急に現れたのは、制服姿の四人組だ。
この辺では見ない制服。

顔が広いと自負している俺だけど、その学校の制服は見たことがなかった。
もちろんその四人組の顔も、初めて見る。



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