「〜〜〜それで!なんであなたたちまで見学にくるんですか!!!」


見学日当日、時羽学園前。鬼村の怒号が響く。まぁまぁ、と生徒会のメンバーが宥めるも、鬼村は解せないと言った表情だった。


「だってぇ、ありすちゃんたちに会いたいしぃ」
「理事長の許可ももらってるわけだし?」
「うっ……」


そうなのだ。あの日、行きたいと騒ぐ桃たちを黙らせようと思って伯父に確認したところ、返事はまさかのOK。むしろ他校の見学に積極的に参加したいとする桃たちに好印象を持っていたくらいだった。その結果、鬼村の意に反して、時羽学園への見学は豊木高校生徒会メンバー+桃太郎一行ということに相成った。


「解せない……っ!」
「まぁまぁ、うらちゃんの邪魔はしないよー。学校入ったらあたしたちはゆっきーたち探すし!問題ないよぉ」
「大有りだ!!」


勝手な行動をされるのも困る。豊木高校の品格が疑われる……!どうするべきか。いっそ生徒会の一人にこいつらのお守を頼むか、と、生徒会のメンバーに目を配ると、やれやれ、という風に一真が口を開いた。


「信用ないなぁ。大丈夫だよ。彩鈴ちゃんたちには話してあるし、案内してもらうって名目も立ててある。今回は許可してくれた理事長の顔も立てなきゃだし、桃のお守くらいは俺らでするよ」
「……」


いつの間に、と思った。
柔らかな笑みを浮かべる一真に、やはり鬼村は背筋を凍らせる。

───こいつに人脈があるのも、わかる気がする……。
だからこそ恐ろしいのだが。何をされるかわからない。


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