「危なかった…大丈夫?」
「大丈夫です…後ろ!」
彼は優しく微笑んだ瞬間、黒い炎が彼の背中に当たり空中から落ちてしまった。
「…!貴方…大丈夫ですか?どうして私の事を守ったのですか?」
私が問いかけたら、彼は立ち上がり笑ってこう言った。
「貴方を守りたいから、守った。理由なんてない」
彼は真っ直ぐな目で言われた。
すると、彼は服装や髪の毛の色が変わり、剣を出した。
「俺はこの花畑を炎上させない。絶対に…そして君も必ず守る」
私をまた抱き抱え、空中移動しながら黒い物体に攻撃をした。
彼の炎は熱かった。
でも、優しい炎だった。
私はちょっと目を瞑ってしまい、恐る恐る開いたら、コスモスや彼岸花の花はキレイに咲き誇っていた。
「よかった。花畑や君も守れ…て」
彼はバタリと大の字になりながら、倒れた。
でも表情は嬉しそうだった。
「貴方は優しいです…素敵ですよ。そう言えば名前はなんて言うのですか?」
「ん?俺は松本知輝。アンタは?」
「私は南彩鈴です。松本さんよろしくお願いします」
「よろしく。南…いや彩鈴」
彼は優しく微笑み、私まで微笑んでしまった。
そして夕方の空、彼岸花やコスモスが、優しい風になびかれていた。
end
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