空色蜃気楼 | ナノ





 物語(ものがたり)とは、語り手が語られる主体に語るさまざまな出来事のこと。虚構の作品だけではなく、歴史上の出来事や新聞記事の用例も見られる、幅広い意味を持った語である『うぃきぺでぃあ より引用』

「もう何なの…」

 あんなことが起こって翌日。
 私は実に連れられ、図書館に来ていました。カエデに色々言われたけど、どうしてもと図書館に来た。

 実が言うには、ここで少しでも知識を取り入れろ、ということらしい。読書は好きだし、調べるのも好きだ。だから決して苦ではない。
 だがしかし。ここのことを調べるっていうのは、どうも気が引けた。おかげで物語についてパソコンで調べてしまった。
 そうか、虚構だけではないのか…。

『何してるの?』
「うひぃっ!」

 私がパソコンの前で頬杖を付いていれば、急に後ろから声をかけられて、少しビックリした。けど直ぐに口元を抑えた。周りを見渡せば、運がいいのか誰もいないので、ホッと胸をなでおろす。

『きゅ、急に後ろから声をかけないでよ…!』
『ごめん、何してるのかと思って』

 謝りつつも、そんな彼は眉間にしわを寄せている。そして彼はとある方向を指差した。

『こっちに資料あるから、読みなよ』
『え、』

 なんで指差すだけ? と思ったけど、実は溜息を吐いた。

『あのね、俺は幽霊だから触れないの』
『あ、そっか』

 そうだったそうだった。
 一人で納得して、彼の指差していく本を、ひたすら手に取っていく。

『これを読めばとりあえず分かるかな』

 どさっと机に本を置く。まって、パッと見た感じ某電話帳の厚さ分が10冊くらいあるんですけど。可笑しくない?

『今日中に読んで』
『無理ぃ!!』

 どう考えても無理ぃ!
 一冊試しにパラパラっと捲ってみると、まずは年表から出てくる。おおう、歴史の教科書みたい。
 別の本をとってみれば、能力とは、みたいなものだった。ほう、面白そうかも。一種の物語として読めば、十分面白いかも。
 そう思いながらペラペラ読みながら捲っていれば、上からため息が聞こえる。

『何だかんだ文句言いながら読んでるじゃん』
『読書は好きだもん』
『あー。そう言えばそう言ってたね』

 彼は小さく笑みをこぼしてから踵を返した。

『どこ行くの?』
『展示品コーナーに』

 そう言って彼笑みを浮かべる。
 そういえば、実も読書が好きだって言ってたもんなぁ…。なんか、実ってもう一人の双子って感じ。いや、3人は双子って言わないから三つ子か。
 少しホクホクしながら本を読みながら、実の方を向く。

『どういうコーナー?』
『能力系のやつ。お前にはまだ分からないよ』

 ニッとした笑みを浮かべられた。
 ムカッときた。
 私は直ぐに今手に持ってる本に目を移す。見てろ、直ぐに分かるようになってやるさ。
 美術部は負けず嫌いなんだ。ふんっだ。





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