「優羽、お前体操着忘れてただろ」
「あれ、げんげんありがとー」

 あたしとあっちゃんと話していたゆう君が、教室に入ってきたげん君から彼のであろう体操着を受け取った。
 今日は1限から体育、という事で教室は少しスプレーの匂いとかがしている。混ざると大変なことになるよね。あれはきつい。

「げん君ってしっかりしてるよね。きょうだいって居るの?」

 あたしが軽く笑いながら言えば、げん君は特に隠す素振りもなく、首を縦に振った。

「居るぞ」
「へえ。上? 下?」
「下」
「妹? 弟?」
「どっちも」

 今思ったんだけどさ、げん君って単語で答えるよね、質問って。短くない? あたし少し淋しいんだけど。
 てか、どっちも? 3人兄弟なの?

「げんげんって、5兄弟の長男だよ」
「5人!?」

 ゆう君がサラッと、棒付き飴を口にくわえながら言った言葉に、あたしは目ん玉が飛び出るかと思った。5人も居るのか…! あ、げん君を加えてね?
 そりゃあしっかりしてる訳だよ。

「じゃあゆう君は?」
「俺は下に妹が一人ー」
「へぇー、何歳?」
「げんげんの長女と同い年で、今中一!」

 あ、その二人は同い年なんだ…。てか本当に仲良いなこの二人。家族揃って仲良いのか。
 あたしがそう思っていれば、彼はスマフォを弄り出し、画面をあたしに見せつける。画面を見ると、彼と似て柔らかい茶色の髪を下で二つ縛りをし、バスケットボールを手に抱えて、ピースをする女の子が写っていた。

「妹さん?」
「そ、妹ちゃん。可愛いだろー」

 成程、彼はシスコンだったか。
 そして彼はあっちゃんにも見せる。あっちゃんはそれを見たあと、可愛いですね、と呟く。

「西野さんと違って」
「酷っ!」

 ゆう君が軽く涙目だ。

「じゃあゆっきーとアリスちゃんって居ないの?」
「居ないなあ」
「私も居ませんね」

 我が家は両親とあたしの3人家族。
 どうやらあっちゃんは両親と祖母との4人家族らしい。あっちゃんがおばあちゃんという言葉を出したとき、優しい表情をしていたから、きっと大好きなんだろうなあ。

「アリスちゃんのお婆ちゃんかー。可愛いんだろうね」
「家で薙刀を振り回してますよ」
「怖っ!!」





―――――――――――――
因みに家族構成(読みにくい)
今現在の身内という感じで…。

彩鈴→父、母、祖母
由希→父、母
優羽→父、母、妹
源輝→父、母、弟3人、妹

飛騨姉弟→父、母
焔真→父、兄
彩兎→父、母
輝→父、母、祖父

豪波→父、母
桜嵐→父、母、姉
音雲→母

朱理→父、弟(青也)
青也→母、姉(朱理)
白夜→父
玄眞→祖父、祖母
紫恩→父、母、姉、妹

早緑兄妹→父、母
狐紀→母
奏架→父、母、祖父、祖母
 


← / →



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -