答えはひとつですか

 さっきまで集まっていた生徒がバラけていく。よく見ると委員会ごとに動いているように見える。それぞれ向かっている先は…別だね、うん。
 あたしは周りをキョロキョロとしながら、先輩達のあとについていく。

「あの、先輩これから何を…」

 偶々隣にいた焔真先輩に声をかける。先輩はあたしの方を見て、口を開いた。

「さっきも言っていたが、SBというものだ。本当はstudentsbattle日本語訳してみろ」
「え、え…。学生のバトル…?ですよね…?」

 合ってるよね? 不安になっていれば先輩に正解だ、と言われる。
 ホッと息を吐くも、直ぐに顔から血の気が消えた。直ぐに焔真先輩の方に勢い良く顔を向ける。

「ばっ、バババババトル!?」
「由希ちゃんテンパりすぎ」

 火燐先輩の横で歩いていた彩兎先輩が振り向いて、笑みを見せながら言ってきた。
 いや、だって! バトルって何!?
 あたしが混乱していれば、とある教室の前につき、火燐先輩がガラリと扉を開く。皆が続いて入っていくので、あたしとあっちゃんは少し遅れて、中に入る。
 そこには一人の先生がいる。見た感じ少し怖そうな…。

「草眞先生!来ましたよ!」
「またお前らか。全く、また胃が痛くなる」
「ひ、酷いっ!」

 火燐先輩とえっと、草眞先生? その二人が少し話してから、草眞先生があたしの方を向いた。

「3年4組担任の国城草眞だ。生活委員の担当をすることになった。因みに部活は陸上部顧問。一年の二人はよろしくな」

 先生の自己紹介を終え、慌てて頭を下げる。あっちゃんは慌てずに落ち着いて頭を下げていた。そしてそれぞれ自己紹介をした。
 それを聞いてから、草眞先生にあたしは気になっていたことを聞く。

「あ、あの。これからやるやつって、何なんですか…?」

 あたしがそう聞けば、先生は一瞬目を開いたが、直ぐに何か納得した素振りを見せる。

「お前は高校編入の奴か。だったら知ってるわけないな」

 南は知ってるか? とあっちゃんに聞き、あっちゃんはそれを肯定する。うわ、やっぱりあたしだけだよ。
 軽くショックに思いながらも、草眞先生は面倒くさがらずに説明してくれた。

 そのstudents battle通称SBは、各委員会ごとで、各学年二名ずつ、計六人で行うもの。これは、あたしと同じような異能者どうしで戦うものらしい。能力はこれから先も付いて来るものだから、色々能力を調整できないと不便。と言うことで、その学園の初代生徒会長が、放課後、委員会ごとに集まって、能力を使った試合をするとこを提案したそうだ。内容は至ってシンプル、ただ戦うだけ。
 ただ戦うだけと言われて、顔を青くしたけど、でもそんな物騒じゃなくて、ポイント制のゲームらしい。

 それと同時に、先生から何か小さな機会を渡される。
 これは相手の攻撃を察知する、センサーが付いているらしい。各自5点からスタートし、それがなくなったら終了。相手の攻撃が当たれば、そのセンサーが感知し、攻撃が当たった生徒のポイントが減り、逆に当てた生徒にはポイントが追加される。

「あと、全委員会のビリッケツだったら、学校修復だからな」
「え?」

 学校修復って何ぞや。

「この学校の生徒は手加減なんか知らないからなー。学校結構ぶっ壊れるんだ」
「は…えぇl!?」

 輝先輩がさらっと言ったけど、それ本当のことなんですか!? ジョークですよね!? ジョークと言って! お願いあっちゃん!

「残念ながら本当ですよ」

 あっちゃんに言われて、涙が軽く出たような気がする。
 てか、あっちゃんは知ってるんだ。そう思ってたら、中等部でもやってたのこと。えぇ、じゃああたしだけ新人? ルーキー?



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