分からないことだらけ
始業式。それぞれ用意されていたパイプ椅子に、名簿順に座る。あたし達は一年生だから、一番前。
さっきまでちょっとしたのが有って、クラスも早速ざわついていた。西野君は何か女子の注目を浴びているし。同じくあっちゃんも少し浴びている。それが気になって、さっきから、あたしは少しそわそわしている。傍から見れば不審者かもしれない、けど見逃して欲しい。
まぁ、そんな気持ちとは裏腹に、始業式での注意事項とか説明が始まる。
まず、担任が1年生の名前呼ぶらしい。因みに1年生のみ。だから大きく返事すること、と言われ緊張感がマックスである。普通に校長の話だけかと思ってたんだ。しょうがないじゃないか。
それと、新入生代表の言葉もあるから、その生徒への注意事も。
しばらく説明があってから、式が始まった。
開会の挨拶から始まり、すぐに新入生の名前を呼ぶのが始まる。最初にクラスの担任が言われ、その担任が名前を挙げていく。どうやら、あたし達の担任の名前は、龍野白奈先生というらしい。ほう、女性の先生で少し嬉しかったり。若かったし。
次々と名前が呼ばれていき、あたしの番になった。あたしは何とか声も裏返らず、何とか上手く行った。ほっと小さく息を吐く。
その後、さっき西野君にリュックを投げた彼や西野君。あ、あの二人名簿順並んでたんだ。それで最後の方にあっちゃんが呼ばれる。
その後全生徒が呼ばれ、新入生代表の挨拶。
『新入生代表、武関玄眞』
「はい」
名前を呼ばれ立ち上がる人。たった場所や声が一番遠いところからしたところから、4組かな。
そう思って彼が上がっていくと、周りの子達が少しざわつく。
「やっぱりアイツだよな」
「これって確か、中3で最後にやった確認テストがトップの奴がやるんだろ?」
マジでか! いつもトップとは無縁のところにいたあたしには、まるで想像がつきませんよ。
しかも聞いていると、彼は満点でトップだったそうな。化物か。
そして新入生代表として話している彼。堂々として凛としている。本当に同い年かと疑問だ。制服もキチンと着こなし、俗に言う美形な彼を見て、思わずボタンを一個閉めた。
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