白紙のプリント

 テスト日程は教室に貼ってあったため、何とか確認できた。どうやら1日目は英語と現代文らしい。なんで1日に2国の語学を勉強しなければいけないのか。いや、片方は祖国だけど!!
 とにかく、今日もらったプリントをやろうと、プリントと教科書ノートを開く。そしてお互いにカリカリと進めていく。
 放課後の教室。ちょうど夕日が一番綺麗な時間帯に、行う勉強はなんか不思議な感覚だった。

「皆ってまだな感じ?」
「あー、げんげんは先生に呼び出し。アリスちゃんもだったかな」

 そう言っていると、十知君が教室に戻ってきた。

「あ、先にやってたんですか?」
「うん」
「すみません、少し掃除が長引いて」

 十知君が苦笑いしながら、ゆう君の隣に腰掛ける。十知君はけっこう頭が良いらしいので、ここぞとばかりに教えてもらおう…!
 現文が得意らしいけど、英語も一応得意であるらしい。

「取り敢えずプリント、出来たところまで見せていただけますか?」
「うん、あまり自信ないんだけど…」

 あたしは苦笑いしながらプリントを手渡す。取りあえずは見ないでやってみたけど、全然分かんなくて…。
 十知君はプリントに目を通し、プリントをあたしに見せてくる。

「ここの辞書を貸してもらえますか? は最初にCanですよ」
「え!? なんで!?」
「この辞書を私が使うことができるか? という意味にもなりますので」
「あー成程」

 そういう風に考えればいいわけね。そう思いながら、他の文章問題も解いていく。
 ちらりとゆう君を見れば、ゆう君も解けたようで、十知君にプリントを見せていた。そして彼が確かめると、

「えぇ!?」
「ど、どうしたの十知君!」

 急に大きな声を出して!
 そういえば、彼はあたしをちらりと見てから、プリントをあたしに見せてきた。それを見ると、とんとんととある問題を指さされた。

「えーっと、『Q1. I go to Tokyo の後ろにyesterdayをつけて過去形にしなさい』…っんん? これ中学の問題では?」

 確かそうだった気がしますけど、何でこれ出来ないの。あたしでも流石にできてたよ! これはヤバいよゆう君!

「ゆっきー俺のこと馬鹿にしすぎ! これくらいは出来る」

 過去形にするだけね! そう言ってゆう君がやる気を込めて取り組めば、丁度タイミングが良かったのか、げん君がやってきた。

「何してんだ?」
「ゆう君が問題といてる」
「どんな?」
「I go to Tokyo の後ろにyesterdayをつけて過去形にしなさい」
「はぁ?」

 げん君の眉間に皺が寄る。うわあ、くっきりだ…。

「答えは、『I go to EDO yesterday.』でしょ?」
「どこ過去形にしてんだよ!」

 ゆう君以外のみんなの心が1つになった瞬間だった。



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