いまのってセーフ?

 昨日が入学式で、今日から本格的に授業が始まる。高校になると、授業は急に難しくなると言われているが、今日はまだスタートという感じで、結構ゆっくりめ。まぁ、これから段々と早くなっていくのだろう。そう思うとゾッとする…。
 そんなこんなで、大体の授業が終わり、四時間目。

「一日目に体育か…」

 机の横にかけておいた体操着を手に取る。一日目だからなぁ、何するんだろう。体力測定かな。

「いえ、違いますよ」
「ぅわっ! ってあっちゃんか…。ビックリした…」
「すみません。驚かせるつもりはなかったのですが」

 少し苦笑いしてるあっちゃんに、思わず顔に熱が集中したのがわかった。へ、変な声出ちゃった…! 軽く涙目になっていれば、あっちゃんが先に歩くので、慌てて後を追う。
 それにしても、体力測定でなかったら、何なんだろう…。




*****




「えー、今日は男女混合のドッヂボールしたいと思います」
「イェーっ!」

 体育教師である、増田先生。確か二組の担任。その人がそう言えば、みんなの士気がめちゃくちゃ高まる。え、ドッヂボールってそんなに喜ぶものなの? てか男女混合って、結構怖いと思うんだけど。
 まぁあたし個人の意見は通る訳もなく。いや、発言すらしてないけど。それでドッヂボールを始めることになりましたー。わーパチパチ。
 
「あ、ゆっきー!」
「うゃーっ!」

 ま、また変な声出た…!
 体育だからと、ポニテにして結んだ髪の毛を、後ろから駆け足でそのままの勢いで、西野君に思いっきり引っ張られた。
 軽く涙目で睨めば、彼は必死に笑いをこらえてる顔をしている。その顔に、思いっきりグーパンチを決めてやりたい。睨んでいれば、彼は口を開く。

「あ、のさぶふっ、ゆっきーブフォっ」
「笑うか喋るかどっちかにしろ!」

 彼の襟を掴んで、上下に勢いよく振る。彼はそれでも笑うので、段々と顔に熱が集まるのがわかる。もうヤダこいつ!
 最後に思いっきり横に投げ捨てれば、彼は難なく受身をとってあたしに、にっと笑みを見せた。それに疑問を持っていれば、彼はあたしにビシッと指をさす。

「宣戦布告!」
「え?」
「俺このドッヂボール、ゆっきーに絶対負けないから!」

 そう言えば、彼は走り去ってしまった。
 え、えと…。これって、クラスがチームだよね…? 何で同じクラスの男子に、宣戦布告されるわけ?

「訳分からん」



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