君だけは知っている

 軍決めは、毎年やり方が違うらしい。今まではあみだくじや、普通のくじ引きだとかあったらしいけど、今回は水憐先輩が4つの風船を取り出した。

『各クラスの応援リーダーが、このうちの一つを選んで、一斉に割ってもらいます。中の紙の色で軍を決めます』

 成程…。
 風船の色が濃かったので、中の色は全く分からない。普通のくじ引きよりは、なんか面白げがあるなー…。
 なんて思っていれば、最初に1年生らしい。
 あたしのクラスからは、ゆう君が出ていた。あ、あと3組の代表は紅煉君らしい。あの人も応援リーダーなのか…。他の2クラスは誰だか分からないけど。
 4人でジャンケンして、勝った人から好きな風船を選ぶ。ゆう君は2番目に選んでいて、皆の手に風船が渡る。

『では、せーの』

 水憐先輩の合図で、一斉にパアンと風船が割れる。
 4つ一斉は結構音大きい。思わず耳を塞ぐ。1年だから前の方だったもんで、結構音大きかった…。近くにいた彼らは大丈夫だったのか。と思って彼らを見れば軽く渋い顔してた。うん、大きかったんだね。
 って、それは今は良くて…。あたし達の軍は…。

「赤か」

 軍は4色。赤と青と白と黒。それの赤だった。なんか本当に体育祭カラーって感じ。何か少し勝気になれるよね。
 あたし達1組が赤で、確か天川さんが居る2組が白。紅煉君の居る3組が黒で、武関君や竜峰君が居る4組が青軍。うわ、何か4組って今思うと怖いわー…。

 そんなことを思っていれば、続いては2年生。
 2年生の応援リーダーに知り合いは、2組の虎臣先輩と、3組の輝先輩。なんか毎度お馴染みって感じがする。でも、この二人はやっぱり納得してしまうよなあ…。
 そしてそれぞれが風船を選んで、続々と風船を割っていく。

『1組が赤。2組が白。3組が青で、4組が黒ですね』

 ということは、あたし達は水憐先輩と音雲先輩が一緒だ。おぉ…初めて、火燐先輩と輝先輩と離れた。そう言えば、3組は火燐先輩と輝先輩の他に、朱理先輩と千束先輩が居たような…。うわああああ! 青軍怖いいいいい!!! 四天王の3人そろってるうわああああ!
 何か周りももう軽い絶望の表情してる。あかんやつや。

 それを見て、水憐先輩も少し渋い顔をしているが、まぁこれもくじ運だからしょうがないと、次に3年生を呼んだ。

 3年生はこれで最後の体育祭になる。ということで、一番燃えているのは、言わずもかな3年生である。勿論、皆優勝したいために、皆が祈るのは、もう軽い最強布陣になっている青軍。

 3年生の応援リーダーは、もう見覚えのある人たちばかりだ。
 この前に出てる人たちは、もう応援団長として決まっている。勿論、女子も可である。ということで、一人だけ女子が居たり…。それが2組の藤原紫恩副会長なんだけど…。副会長なのに団長もするんだ…。といったら、1組の団長も会長の中頭黄蘭会長なんだけどさ。すごいねこの二人。
 そして3組は早緑先輩で、4組は豪波先輩だ。確か3組は桜嵐先輩が居たはず。それで4組は焔真先輩と彩兎先輩。
 どの先輩たちも強そうに見えるのは、やっぱりいつもの先輩たちを見てるからだし、強いってのが分かってるからだよね。

『はい、では風船を割ってください』

 そして、一斉に風船を割った。
 なんか、3年生本気で祈ってるんだけど。皆さんすげえな。

『えっと、1組が白。2組が青。3組が黒で、4組が赤です』

 ということは、焔真先輩達と一緒だ。よ、良かった…少し安心した…。

 えっと、まとめると…。

・赤軍…1年1組、2年1組、3年4組
・青軍…1年4組、2年3組、3年2組
・白軍…1年2組、2年2組、3年1組
・黒軍…1年3組、2年4組、3年3組

 って感じか…。

 なんか青軍がもう勝った気でいるよ…。確かに、これは最強布陣だもんなあ…。

『……では、これで軍決めを終わります。では直ぐに、各軍ごとに、団長を中心に集まってください』

 水憐先輩がそう言えば、壇上に居る先輩たちが降りてきて、各団長が仕切って皆がそれぞれに分かれていく。



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