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この船に潜んでいるスタンド使いを見つけるため、皆は2組に分かれて探しに行き、私は水兵さんと少女の護衛のために一緒に部屋で過ごすことになった
水兵さんたちは部屋に入ってからも文句を言っていたが、部屋から出るようなことはしなさそうだった。固まってくれないと守りにくいから助かるね
クリスタル・ワンドを出して警戒していると、少女にちょいちょいと裾を引っ張られた
「ん?どうしたの、お嬢ちゃん」
「シャワー室、使ってもいい?」
「いいよ。でも何かあったらすぐに呼んでね?」
「分かったわ」
少女がシャワー室に入り、私が警戒を続けているとそいつは突然やってきた
水兵さんたちから悲鳴が上がる
檻に入っていたはずのオラウータンが壁から突然出てきたのだ
「みんな後ろに下がって!!」
怪しいと思ってたけど、まさかオラウータンがスタンド使いだったとは…!
水兵さんたちをなるべく後ろに下がらせ、私は相手を睨みつけた
オラウータンは私の胸に目を向けにやにやと笑っている
あのエテ公め…私が戦闘に向いてない能力だからってもう勝った気でいるな!その上欲望丸出しとか…!!
「舐めてると痛い目見るよッ!」
ワンドちゃんが杖で奴を殴ろうと向かっていく。しかし相手はぬるりと壁に入り、杖はそのまま壁を殴りつけた
<くっ…どうやらこの船自体がスタンドのようですね…>
「厄介だね…どこから攻撃してくるかわからないよ」
その時、悲鳴が聞こえた
振り返ると水兵さんたちが壁に取り込まれていた
「ま、まずい、まずすぎる…!」
どうする咲子…このままじゃ私も皆も死ぬ…!考えろ、考えるんだ…!
…そうだ!!
私はワンドちゃんを消すと、着ていたシャツを脱ぎスカートをできるだけ短くした。そしてできるだけ悲しそうな表情を作る
私ならできる私ならやれる…よし!!
「こ、降参します…降参しますから、どうか命だけはっ…!助かるなら、私…なんでもします!」
ちらっとブラをずらせば自慢の胸がぽろりと見える
勝負に勝つ為ならどんな物でも使う!これが私の信条ッ!さあでてこいエテ公!!
私の作戦が成功したのか、壁からぬっとでてきたエテ公はゆっくり私に近寄ってくる
その目線は私の胸に釘付けだ
「ああ、どうか命だけは…!」
あと数歩の距離まで近づいてきたエテ公は、鼻息が荒く、完全に油断していた
いまだッ!!
「舐めんなって言ったろ、このエテ公がああああああ!!!!」
どてっ腹めがけて撃ちこんだ渾身のストレートパンチはクリーンヒットし、エテ公はそのまま床に倒れた
その腹にどんと足を置くと、私は笑みを浮かべる
「ねえ、今ので私がどれだけ怖いか、賢い貴方なら分かったよねん?逆らったらどうなるか、分かるよねん?
けど私は殺しは嫌いなの。だから貴方がこのまま私たちをシンガポールまで送ってくれるって誓うなら殺さないであげる。誓ってくれるかな?」
ぎりぎりと腹を踏みつけるとエテ公は怯えた表情で首を何度も縦にふった
「オーケーオーケー、賢い選択をしてくれてありがとう!それじゃあ、シンガポールまでよろピくねん」
ふふん、これぞまさに大勝利★
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[mokuji]
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