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お兄ちゃんが出て行って、おじいちゃんもアヴドゥルさんと話をするために部屋から出て行った。残ったのは眠ってる花京院さんと私

「……つかれた」

肉体じゃなくて、精神がつかれた。いきなり殺されそうになって、お兄ちゃんが怪我して、肉の芽がうにゃあああってなって…
皆の前では大丈夫だけど、気がゆるむと身体が震える。駄目だなほんと…

「咲子さん…」

「花京院さん、起きたんだ。おはよう」

おはようと返してくれた花京院さんが身体をゆっくりと起こす

「もう平気?どこか痛いところとかない?」

「大丈夫だよ。君が治してくれたおかげだ」

「それはよかった!」

「…咲子さん、君はどうして私を助けてくれたんだ?私は殺されてもおかしくないことをしたのに」

「あ、呼び捨てでいいよ
そりゃ放っておけなかったから…あと、怖かったからかな」

「怖かった?」

そう、怖かった
敵でもだれでも、自分のせいで死んでしまうことが怖かった
自分の手を汚すのが怖かった。お兄ちゃんを汚すのが嫌だった
だから、花京院さんの怪我をなかったことにした。自分のせいで死んでほしくなかったから


「あなたを助けたのは、全部自分のためなの。…あきれた?」

「いいや。むしろそれが普通だと思うよ」

「そっか…」

普通だと言ってもらえて少し心が軽くなる。現金だなマイハート


「ありがと、花京院さん」

「私も呼び捨てでいいよ、咲子」

「じゃあカキョで」

「いきなり飛躍したね…」

そう言って笑うカキョはとても素敵だった。絶対本人には言わないけどねッ!

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