「ねぇ、みてみて、依玖様と会長様よ…」
      「やだ、ほんとだ…」  
  「何であの子なの…」

     「ちょっと会長様に」

「気に入られてるからってね……」

     「そうそう、」

「うざいよね…」




コソコソと、聞こえる。

罵り。妬み。恨み。怒り。


それらは、ひしひしと私に伝わる。

だけど私には気にならない。





「依玖、平気?」


「はい。平気です。会長様…」




だって、会長様が隣を歩いているから。


私の隣を、一緒に、
     歩いてくれるから。


何の取り柄もないこんな私を、
この学園の誇り高き生徒会に
呼んでくださったのは

会長様。


私は会長様の為なら
何にだってなると決めてる。

会長様がいれば、
他に何にもいらないの。


いくら妬まれようが、
いくら恨まれようが、

それは私には
ただの羨みにしか
聞こえないのだもの。


「じゃあ、生徒会室に戻ろうか。」


「はい。会長様。」



会長様は、二人きりになると
私にしか見せない顔を見せてくれる。

この時が私の何よりもの
幸福の時。


「依玖、どうだった?今日の周りの人々からの妬みの目は」


「はい。会長様。とても愉快でした。」


「あはは。気持ちよかったんだ?相変わらず変態さんだね。」


「はい…。」


「ふふ…可愛いね…可愛い俺の依玖」


あぁ。
  あぁ。
貴方に
 そんなこと
言って貰えるなんて


夢のよう。


二人きりの会長様は
強い言葉で、
強い口調で、
あの目で、
私を愛でてくれる。

それが嬉しくて、嬉しくて。


「依玖は、貴方だけの依玖です。会長様だけの…」


「そうだね…。」


そう呟く貴方の目線に
くらくら 目が回る


会長様は手は出さない。
そんな会長様がすき。



―コンコン。


部屋に響く、音。


あぁ、二人きりの時間は
もう おしまい。



入って来たのは、
真里亞お姉様。


私は二人の間柄を知ってる。

だから何も言わないで
部屋を出る。



だけど。


あの人を見る 会長様の目が

私の目に焼き付いて

離れない




会長様から離れ、
生徒会室を出れば

もうそこは、
無意味でしかない時の中で、
無意味でしかない場所になる。


「あぁ…会長様……貴方が隣に居ないだけで、私は…こんなに…」



会長様がいつも誰を見てるか。
私を愛でてくれるのは何故か。


意味など、分かってる。
知ってる。


だけど、ただ
聞かないだけで。


それだけで
私の幸せが続くのだから。


「会長様…すきです…」


貴方が、欲しくて、
欲しくて、
欲しくて、欲しくて、欲しくて。



こんなにも好きなのに



どうして



「……あんな人……」


あぁダメよ。

あぁでも、悪いのは
会長様…貴方です。


こんな気持ちに
なるのだから

あんな人

(いっそ―…)


―――――――――――――

はい、病み系が急に書きたくなりました。依玖ちゃん。影の薄い依玖ちゃん。
実は影でこんなこと思ってたら怖いねー!

って話。

本家様のSS『お姫様』『王子様』と繋がってたりしてたら嬉しいなぁ。
依玖が扉の前でえらいこと考えてる内に、二人はイチャコラしてるってゆうアレですね。

まぁ、こんなこと思っちゃう依玖ちゃんだけど、結局は蓮に嫌われるのが怖くて手出しできないんですねー。んでそれを蓮も真里亞も分かってる。
そうゆうのだったらいい。と、思う。

ドロドロ。でもそんな話もすきなんです。



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