「……何やってんの、悠美」


「お?おぉ!ハル!!うちに気付くとはやるなぁ!」


「いや、向こうからすっげぇ見えてたから。」


「ええっ!?!?うせやん!?」


「嘘じゃない。」


「う"…。…って、あ!出てきた!!」


悠美はまたもやハルを引っ張り草の影に隠れた。

ハルはまさかと思いながらも、顔を青くして問う。


「……何する気…?」


「決まってるやん!追いかけ「馬鹿か」


「…………」


「…………」


「……追いかけ「ない」


「…………」


「…………」



「……ななな何でやねん!!こんなおもろいこと二度とないぞ!!!」


「あっちは車だよ。追いかけれる訳ないじゃん…」


ハルは怜音達を指差しながら言う。

ハルが言うように、確かに怜音と啓は車に乗り込んだ。


「なっ……そ、それは……」


悠美は少し考えたのち、いいことを思いついたのか、目を輝かせてカバンの中を探りだした。


「………何してんの」


「ふっふっふっ……これがあれば行き先が分かるねん…」


悠美はカバンの中から携帯を取り出した。


「……携帯?」


「うちが前使ってた携帯や。GPS情報機能があるからうちの今の携帯から見れるねん!」


悠美はそう言うと、コンビニのガレージから出てくる怜音達の車めがけて携帯を投げ捨てた。



「まさか、そんなので車の中に入るわけ………?!」



ハルは目を見開いた。



なんと、悠美が投げた携帯は車の後部座席の窓に吸い込まれるかのように車の中に入っていった。


「…う…嘘でしょ…?」


「うちの運動神経をなめんな!」


悠美は自慢気に笑うと、カバンから携帯を取り出した。


「さて、と。追いかけよか」


「…はぁ……ほんとに仕方ないな…」


ハルは呆れながらも、あの二人に興味があった。
そして何より、おいしい写真を撮れたら最高ではないか。

と考え、結局悠美についてゆくことにしたのだった。






この時のハルの判断が、後々ハル達二人を苦しめるとも知らずに……







  



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