一方その頃―――
―少し外れの海岸…
「…ん……?」
「あぁ、目覚めたか。」
「……あれ…私…」
何…したんだっけ…
「お前、何か色々知っちゃってパニックになったんだよ。覚えてねぇ?」
「……何か…軽くなら覚えてる気が…」
「……そうか」
「……うん…」
「………」
「………」
沈黙………この沈黙は痛い…
「…あのねっ…!」「…なぁ…!」
「……あ…先にどうぞ?」
「いいよ。お前が先に言え」
「あ……う、うん…あの…ね…?」
「うん」
「あの……」
話を切りだそうとするけどなかなか言葉が出ない。
どうしよう…っ
「あ、あのね…!私、留学してから色んな人と出会ったの。素敵な友達も沢山出来たの…!」
「………そうか」
「…あ…あとね、色んな男の人とも出会った……」
「………」
「……それで……色んな事を知った」
「……へぇ…良かったじゃん。そん中には自分の王子様いたのか?」
笑いながら話すあなたに、少し胸が痛む。
「…王子様は……いなかったよ…。別に、探す必要もないと思った。」
「……なんで」
「………あのね、私、この8年間ずっとレッちゃんを忘れられなかった。どんなにいい男に迫られても、目を閉じたらレッちゃんの……あなたの笑顔が浮かんだの…!」
「……は?」
あぁ、またその顔。
あの日、私が告白したときと同じ顔。
「……ごめんね……重いって…分かってるつもりなんだけど……」
言葉にせずにはいられなかった…。
「………俺の話したかったこと、話して良いか」
「あ…うん…。どうぞ」
「…………俺さ、今はもう教師やめて普通に保険医やってんだ。俺のあと継がせる奴を育てる為に。あの学園の敷地内でな」
「え…」
そうだったんだ……
「……だからさ、別に今はもう教師じゃねんだわ。」
「………うん…」
「だから……今なら言える。」
「………!」
まさか、
そんなわけない
「俺はあの時からお前の事が、好きだった。」
「……っ!!」
本当に?
……私が…?
おもわず涙が溢れた。
「レッちゃん……っ」
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