学園中にチャイムの音が鳴り響く。




今日は始業式。

クラス発表やクラスでの決め事は終了し、生徒達はチャイムと同時に席を立つ。


そんな中、中等部3-Aでは二人の少女が話をしていた。


「ハルちゃん…帰らないのか?」


「んー…まだ…もうちょい待って…」


一人の少女――ハルは自分の席に座り、携帯の画面を見ながらもう一人の少女――辰巳と話をする。


「……とゆうか、さっきから携帯で何見てるんだ?」


「んー…見る?」


ハルは携帯の画面を辰巳の方へと向けた。

画面に写っていたのは、


「………葵さん?」


「うん。正解。この葵が今から迎えに来るつったら帰るの。」


「は?な…なんで……逃げたいなら先に早く帰った方がいいんじゃないのか?」


「…違うんだな。そこは…」


「え?」


辰巳が頭にハテナを浮かべる中、ハルは今までにないほどの笑顔を見せる。


「校門で待ってる可能性とかあるから、迎えに来させるの。そんでさっさと帰っちゃえば会う可能性はあるけど会わない可能性もある。裏口使って出たら絶対バレないよ。」


「…ハルちゃん…鬼だな…」


「いや、今までハルがやられてきたコトに比べたら……」


「え?」


「いや、何でもない…。そんなことより、ほら、葵が迎えに来るって。帰ろう」


ハルは携帯の画面を辰巳に見せながら席を立つ。


「ん。了解」



辰巳は改めて教室を見回し、気づいたことをハルに着いて行きながら話す。


「そういや、いつの間にか消えてたな。べーさん」


「え?あ、ほんとだ…」


「職員室よって行くか。」


「そうだね…」





市立腐女子学園
学生寮






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