「…で、その転校生がさ…って辰巳、話聞いてる…?」


辰巳はハルの机に肘をつき、窓の外を眺めていた。


「…ん?あ、あぁ聞いてるよ」


「……考え事?」


「まぁ…うん」


ハルは「そ…」と呟くと話すのを止めた。



「……ハルちゃん…?」


辰巳は自分がハルを怒らせてしまったのではないかと不安になり、ハルの顔を覗き込む。


「……ん?なに?」


「………いや、」


ハルは特に機嫌が悪い訳でもなく、ただ黙りこんだだけだった。


「ハルちゃんの機嫌損ねちゃったかなぁと思って…」


「…あぁ、別に怒ってないよ。ただ…」


「ただ…?」


「………ハルもちょっと考え事してただけ」


「………そうか」


辰巳は少し微笑むと、先程の話を持ちかけた。


「ハルちゃん、さっきの話。何だったんだ?」


「あー、うん。」


「…?」


「そのBクラスの転校生が、菜月ちゃんのルームメイトになるんだってさ」



「!?」


「ね、ビックリっしょ。Aクラスまではまだ転校生の噂は届いてないだろうから菜月ちゃんが知ってんのかどうかは分かんないけど…」


「…もし知らなかったら、イケメンが急に部屋に来たっつってあらぶりそうだな。」

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