「な…なな…何でここまで来んの…!?」


「いやぁ、教室の鍵開いてたから閉めといたよーって報告をね。一応」


珍しく怒鳴るハルに構わず葵は辰巳や真里亞が居る場所目掛けて進む。


「ちょっ……!」


「やぁ、辰巳ちゃん。さっきぶりだね」


辰巳はまた先ほどと髪型が変わっている葵に驚いた。


「…えっと……あー…はい…」


「ふふっ、クールだね。辰巳ちゃんは」


「だから…ちゃん付けは……」


「あぁごめん。じゃあ辰巳でいいかな?」


「だめに決まってんだろ馬鹿」


葵が笑顔で話す中、ハルは葵の後ろから笑顔で言葉を放つ。


「……俺、ハルに聞いてないからね?」


「知ってる。」


「じゃあ何でハルが答えるのかな?」


「葵と皆に仲良くなって欲しくないから」


あくまでも笑顔の二人。


「あ…あのー…」



と、そんな二人の会話に入る勇者が1人。


「……あなたは…ハルの友達ですか?」


「……悠美…うるさいよ…?」


ハルは悠美を黙らせようとするが葵は悠美の質問に答える


「んー?あぁ、そうだよー。ハルの幼なじみです。よろしくね?」


葵は悠美の手を握るとそのまま自分の唇の前まで持っていき、言葉を放つ。


「……君の名前は、悠美‥か。可愛い名前だね。どう?これからお茶でも行かない?」


その状況に、悠美だけでなく周りの皆もポカンとする。
葵の後ろでは、ハルが深いため息をついた。



「……ぶふっ!あはははは!!葵…やったか?お前おもろいな!友達なろうや!」


「え…」


悠美の予想外の反応に葵は驚いた。


「あはっ!ほんと面白いね!葵ちゃん!!あおちゃんって呼んで良い?」


「ハルちゃん、変わった友達やなぁ」


どうやら悠美、真里亞、菜月の三人は葵のキャラが気に入ったらしく、「仲良くしよう」と葵に握手を求めた。

葵は無邪気な笑顔で手を握った。


と、それを眺めるハルは…

「……………」


「…ハルちゃん?どうしたんだ?」


「……いや……一番恐れてた事が現実になったなぁって……」


ハルは遠い目で話す。

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