ガチャ―― 「すいません、遅れました」 「………なにあれ」 ハルと辰巳が扉を開けると、何故か龍が生徒に囲まれていた。 「…あぁ、お二人ですか。もう部屋割りは発表してありますよ。鳳さん達から聞いてください」 ハルと辰巳がポカンとしていると、寮長の南雲凛が二人に気づき、話しかける。 「…はーい。」 「ありがとう、寮長」 ハル達は凛の指さす方向を確認すると、そちらに歩いて行く。 と、3人の元まで辿り着く前に真里亞がこちらに気づいた。 「あっ!ハルちゃんに旦那っ!!やっと来た!」 「ん?あ…ほんまや」 「……さっきぶりー」 「おー、さっきぶりやなー」 「真里亞、部屋割りの紙見せろ。」 「んもー…旦那はいつも私にだけは命令口調だよね!」 そう言いながらも、真里亞は辰巳に用紙を渡した。 「おー…ハルちゃん、嬉しい部屋割りだぞ」 「お?まじでか?……ってあ!」 ハルが用紙を確認しようとしたその時、ハルはあることを思い出す。 「な…なんや…?」 ハルは悠美の問いには答えずに龍の方へと歩いて行く。 「あぁ、たしか…釘山…さん?どうかしましたか?」 「いや、ハルと辰巳で放課後ちょっとだけ残ってたんで、教室の鍵閉めてもらおうと思って職員室行ったらべー様居なかったなぁって思って……」 そんなハルの言葉に辰巳も思い出す。 「あ…そういやそうだったな」 「……ちょっと邪魔者が入ってすっかり忘れてた…あー…べー様今から校舎戻るから許可ちょうだい…」 その言葉に龍は笑顔で頷いた。 と、その時、またもや扉が開かれる。 ガチャ―― 「あー…普通科ってここでいいのかな?」 そう呟きながら入ってきたのは―― 「…あ……あお…い…」 ハルの顔は真っ青になる。 [*前] | [次#] [戻る] |