―――現在 「んで、ハルがこっちについてから携帯開いても連絡は来ないし、てか連絡つかないし。友達だの友情だの言ってたけど葵との関係はそれで終わり。それからは連絡出来なくなったし。………ね?呆気ないもんでしょ?」 辰巳はハルの話を聞きながら、顔を真っ青にしていた。 「………あぁ…良く分かったよ…葵さんがハルちゃんにそんなに執着はないって分かった。むしろさっぱりしてるよな、うん。でさ、僕的にもっと違うとこに注目したいんだが…」 「……なに?」 「今の話の中で葵さんとハルちゃんがドSになるくだりがなかったんだが……それは何故…」 辰巳のまさかの質問に一緒キョトンとするハル。 「………何故って……。そりゃあ…何か綺麗な感じにしたかったから……」 「ええええ!?そんな理由?!」 「?…うん。こんな理由。」 「えー……あ、じゃあ、どの辺からドSコンビになったんだ?」 「んー……学校でいたずらして叱られてる辺りからかなぁ……」 「………」 「………?」 「…ハルちゃん……叱られてたのか……」 ハルは「何で?」と頭を傾げた。 「いや、だって……なんか大人しそうな雰囲気してるから…」 「……大人しいっちゃ大人しいけど…質の悪い大人しいだよ」 「イミガワカラナイ」 「えー…?……って、あ。着いたよー…」 ハルと辰巳がそんな話をしていると、いつの間にか寮の前に着いていた。 「え、もう?はやくないか?」 「話とかしてたからだよ。」 ハルはクスクスと笑いながらそう言うと、皆、大ホールに居るだろうと静かに寮の扉を開けた。 [*前] | [次#] [戻る] |