「な…なるほど…」 ハルは話を続ける。 「ここにはハルもいるし、中高大一貫だから、実年齢で入ったんだと思うよー」 「……すごいな…葵さんて…」 「まぁね…。」 と、そうこうしている内に龍の話は終わっていた。 龍は階段を降りてハル達の座るAクラスの前へと立った。 「始めまして。皆さんよろしくお願いしますね。早速、教室まで移動したいと思います」 龍がニコッと笑うと、ハル達の後ろから奇声と悲鳴とが混ざった黄色い声が発せられる。 「…う……うるさい…」 「耳痛いぞ……」 ハルと辰巳は耳を塞ぎ、龍の方をチラリと見た。 すると二人は龍と目が合う。 龍はニコリと笑うと、手をパンパンと叩き、Aクラスを静める。 「はい、それでは移動しましょう。俺についてきて下さいね」 生徒達は『はーい』と語尾にハートが付きそうな返事をすると、各々に席を立ち、移動を始めた。 「……さっき、こっち見て笑ったよね……?」 「う…うん…」 「顔…覚えられちゃったかな……」 「多分…な…。僕達は奇声上げてなかったし……余計に目立ったのかもしれないな…」 「……なにそれ…何かおかしくない?…この学園…」 「それは前からだろ……」 ハルと辰巳は席を立ち、龍とその後ろに着いている集団の後を追った。 [*前] | [次#] [戻る] |