「あぁ…俺ね、趣味はSを苛めることなんだ。だからハルみたいなドSを苛めるのとか大っ好きなんだよね。ゾクゾクしちゃうくらい…。……辰巳ちゃん、君はSかMで言ったらどっち…?あ、因みに隠してもその内バレるから。嘘ついちゃダメだよ?」



「…う……あ………」



「辰巳はSだよ。でもMでもあるから、±0!以上。」



辰巳が困っていると、ハルが横から助けに入る。
とりあえず辰巳は安堵した。


が、葵の顔がみるみる不服そうな顔になる。


「……俺は、辰巳ちゃんに聞いてんだよ?ハルじゃなくて」


「……そんなの、自分でSかMかなんて分かる訳ないでしょ…。ハルみたいに故意にしてる訳では無かったら。」


「…ふーん……まぁ良いや。俺は美術科のDクラスだから。またどっかで会えると良いね。あ、あと、ハルって放送部なんだってね?」


「…まぁ…そうだけど…」


急な葵の問いに、渋々答えるハル。
ハルの言葉に、葵は満面の笑みでハルにとって最悪な言葉を口にする。


「じゃあまた放送室とやらに迎えに行くよ。ハル」


「来んな!だいたい来る必要ないでしょ…」


「何言ってんの。ハルを辱しめるためなら何だってするんだよ俺は」


しれっと話す葵にハルは顔が青ざめる。


「……ハル…お前と同じ学校とかやだわ…」


「もう遅いよ?」


葵はクスクスと笑い、辰巳の方へと向く。


「…ねぇ…辰巳ちゃん?」


少し放置されていた辰巳は、まさか自分に矢が向くとは思わず焦る。



「え?あ、はい!」


「………いちいち可愛いね…。まぁ、それは置いといて、放送部って他に部員はいるんだよね?」


「…う…うん…。まぁ、あと3名ほどだけど…」


「そっか。じゃあその子達にもよろしく言っといてよ。じゃあねー」




葵は話したいことだけ話すと、そくささと自分の席に戻って行った。





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