辰巳が少女に捕まってしまった。


「…あ〜あ…捕まった……」


ハルは『ハァ』と溜め息をつき、辰巳の手を引っ張る。


「うわっ!」



「やめてくれないかなぁ…ナンパとかそうゆうの。この子ハルの友達なんだよね」


「ん、知ってる。そして友達にちょっかい掛けたりすんのをハルが嫌がる事も知ってる」


「………死ねよ」


「ごめん無理」


辰巳は方手を見知らぬ少女に、方手をハルに引っ張られている中、何が何だか分からなくなり混乱する。



「え…ええと、ハルちゃん?知り合いじゃないんじゃなかったんじゃなかったっけ?」



「辰巳、もう意味分かんなくなってるから。」


「へぇ、辰巳ちゃんって言うんだ。……よろしくね、辰巳ちゃん」


「…や…やめてくれませんか……ちゃん付けは……」



「恥ずかしいの?可愛いなぁ…」



「だから…やめろって言ってんでしょ?この腐れドSが」



「そうゆうハルだってサディストじゃん?」


「あ、あの…」


「いや、あなたよりはマシですから…。」


「放し…て…」


「何を言ってんの。ハルがサディストだったから俺もドSになったんだよ?」


「ちょ……」


「はぁ?そんなの所詮はそいつの性格でしょ?」



二人が言い合いをしている中、辰巳の怒りはみるみる募ってゆく……。



「それでも元凶はハルだから」


「い……」


「知るか」



そして、ついに。




「いい加減に……放せーーー!!!」





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