「ところで、その子誰〜?」 真里亞は先ほどから蓮の後ろに隠れている少女に目をやる。 「ん?あぁ、この子は生徒会の新しい子だよ」 蓮は後ろにいる少女に呼び掛け、前に出てきて貰う。 「え?何なに?新しい子?可愛なぁ」 「わっ、ほんとだ!可愛いーっ」 「俺らよりちょっと背低いだけやのになぁ…」 「ほんとだな。何かもう雰囲気だけでも可愛い」 「うん…可愛い……。ね、一緒に写真撮らない?」 「こらこらハルちゃん。うちの子ナンパしないでよ」 「は?最初にナンパしたのは会長様でしょ?この子と一緒に立ってたら会長様が誘拐したみたいだよ」 「嘘!何それショック!」 「え、自分で気づいてなかったの?だっさ…」 「気づいてなかった!気づかせてくれてありがとう!」 「会長様、あんた馬鹿でしょ」 その後も言い合いをするハルと蓮。 生徒会の新メンバーの少女は、周りで色んな事が起こり、整理出来なくなってしまった。 ――と…とりあえず…止めなきゃ… 少女は思いきって声を出す。 「あっ…あの…っ」 出来る限りの声は出したのだが、蓮は気づかない。 そして少女の声に気づいたのは、 「ん?どしたん?」 優しく笑う菜月だった。 「…あ、はい…。あ…あの…喧嘩は…」 少女はポソポソと話すのだが、それを菜月は普通に聞き取る。 「あ〜…なるほど、うん。そうやな…ちょっと待ってな」 菜月は少女の頭をポンポンと撫で、言い合いをしているハル、蓮に声を掛ける。 そしてついでに先ほどからうるさい悠美と真里亞に声を掛け、とりあえず場を落ち着かせた。 「まぁ…ハルちゃんと会長様に関しては喧嘩じゃないねんけどな…」 [*前] | [次#] [戻る] |