「あれだ、2月はまだ寒かったろ。その名残だよ。」


辰巳はハルと悠美のやり取りを止めながら言う。


「あぁ〜、なるほど!」


「なぁんだ。オカンが言う、機能の良すぎるクーラーじゃないんだぁ…。」


菜月は手をポンと鳴らして納得し、真里亞はつまらないと言うかのようにボスンッとソファーに座った。


と、突然モニターの画面がつく。



「あ、会長様だ。」


モニターには蓮が映っており、モニターからは今日のクラス発表後の行動を説明をしているようだ。
そして他に言うことだけ言い終わると、モニターはプツンッと切れてしまった。


「…あたし、あのDVD欲しー。」


「分かる分かる。俺も欲しい」



モニターが切れた矢先、真里亞が唐突に言葉を放ち、そして菜月が共感した。

悠美はそんな二人に驚き、顔を歪ませた。



「な…何に使うねん…」


「え、オカン知らんの?」



「?何がや?」


悠美の言葉に、今度は菜月が驚いた。
さらに菜月だけではなく真里亞、ハル、辰巳まで。



「ななな何や?!何でそんなにびっくりすんねん!!」


「いや…まさかオカンが知らないとは思わなくてだな…」


「腐女学の生徒やったら皆知ってることやと…」


「衝撃だね……。てゆーか、それってつまり、オカンは今のお小遣いで足りてるってことだよね?」




「「「衝撃……」」」



ハル以外の三人が悠美を衝撃の目で見つめる。


「…い…いや、だから、どうゆう…」


「売ってるってことだよ。」



悠美がもう一度意味を聞こうとすると、何も話さなかったハルが話を始めた。

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