その日はとても穏やかな青空が広がっていて、休みの中日であるガイ先生と共に散歩に出掛けた。
義足を合わせるために装具店を訪ねるという意味もあって、フジは少し楽しみだった。
またガイ先生の隣を歩くことが出来るかもしれない。
それだけで嬉しくてたまらなくなった。
車椅子に座っているのも嫌ではないが、やはりガイ先生の隣を自分の足で歩いていたい。
「ガイ先生!」
「ん、サクラとナルトか」
サスケとカカシを待っているらしいサクラとナルトに会い、フジは笑みを浮かべた。
「久し振りね、サクラ、ナルト」
「フジさん…」
穏やかな表情のフジとは反対にサクラとナルトの表情は暗かった。
視線が向けられるのはやはり、右足でフジはいつもいたたまれない気持ちになる。
相手が哀れんでいることが分かるから、フジはどうしようもなくなるのだ。
「フジってば明るくなったな」
「え?」
「何つーか、そんな気がするんだってばよ」
ナルトが無邪気にそう言うものだから、フジはぽかんとしてナルトを見てしまった。
「だろ?」
「……ガイさんのお陰かしら」
後ろでにかっと笑うガイ先生の顔を見て、フジははにかんだ。
この優しさに感化されたのかもしれない。
誰といてもこの笑顔を忘れない彼の性格に救われたのだ。
「一緒にお出掛け?お二人さん」
「待たせたな」
「カカシ先生、サスケ遅ぇってばよ!」
「…寝坊したんだ」
珍しく頬をわずかに赤くしたサスケが呟くのが聞こえて、フジは思わず小さく吹き出した。
寝坊とは正反対にいそうなサスケが寝坊とは意外すぎて面白い。
くくく、と肩を揺らして笑うフジにつられてナルト達も笑い出す。
しばらく笑いがその場を満たしていたが、さて、とガイ先生がフジの車椅子を押し出したところでカカシが声を掛けた。
「ま、仲良くて良いんじゃない?」
「たまにしか側にいてやれんからな、俺の妻になってくれたフジに申し訳が立たんだろう」
フジの後ろで笑った旦那様は世界で一番かっこよかった。
この人の妻が自分で良かったと思うくらいには。
幼妻ちゃんとカカシ班
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