第七班はみんな仲が良い。
担当のはたけカカシを中心に意外性ナンバーワンと名高い、うずまきナルト。かっこよくて、クールなうちはサスケ。それからくノ一で医療忍者の春野サクラ。
時々小さな喧嘩はあるものの仲良しなのは有名だった。
三人ともフジが目指したくて、目指せなかった上忍を目指している。それがとても羨ましかった。
足を失ったのは不慮の出来事であったとはいえ、もしそうならなかったらフジが所属していた第八班で過ごせていたのかもしれない。


「フジ、久しぶり!」

「うん。久しぶりね、サクラ」


その名前の通りの髪を風になびかせて走ってきたサクラがフジに声をかけてくれる。サスケに恋をする姿は変わっていなくて、とても眩しかった。
一途に誰かを思うことの尊さをフジは知っているから。あの入院生活で、ガイ先生に出会わなければ恋なんて一生知らなかった。ガイ先生がフジに二度目の人生をくれたのだ。妻になり、その側で生きていくことを許してくれたから。


「今日はどうして来たの?」

「オレが連れてきたの。いっつも家に一人じゃ可哀想でしょ」


いつものイチャパラを片手にカカシがね、とフジに笑いかけてくれる。
ガイ先生も少しは構ってくれたっていいのに。わたしだって寂しいわ。
ほんの少し、ガイ先生に心の中で文句を言う。10歳以上年齢は離れているし、確かに放っておいても大丈夫なんて思っているのかもしれないけど。だけど、フジは本当は寂しいのだ。


「またガイ先生、出掛けたの?フジをおいて?」


最低ー、とサクラが怒っていると一汗かいたナルトとサスケが戻ってきてフジに気づいた。


「フジ!どうして此処にいるんだってばよ?」

「カカシ先生が連れてきてくれたの。いつも一人で可哀想でしょって」

「…また旦那はアンタをおいて出掛けたのか」


サスケが呆れたように言う。こういう一人の寂しさをわかってくれるのはサスケだ。サスケもまた一人だったことがあるから。
ナルトはまたかよー、なんて言いながらどこか楽しそうだ。
同期の中であまり関わることのなかった第七班だが、こうして忍でなくなってから関わることが増えた。
いつか、ガイ先生との子どもをこうして見守ることができれば良い。
そっと心の中に生まれた夢にフジは微笑んだ。

幼妻ちゃんと小さな夢


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