地獄の沙汰は君次第・オマケ
「一子ちゃん、二子ちゃん、会いたかった!」
「おねーちゃん」「ほんとに来たんだ」
「これから地獄でお世話になるから、毎日会えるわよ」
「「ふーん」」
「二人も喜んでくれるのね、嬉しいわ」
「「……」」
「どうしたの?」
「あのスケコマシに」「追い出された?」
「スケコマシって白澤様?」
「「そう」」
「追い出されたんじゃなくて、ここで働くことになっただけよ。今でも白澤様のお宅に御厄介になっているわ。親切でお優しい方なの。スケコマシなんて言っちゃダメよ? 細かい気配りも出来る方で、現世で流行ってる可愛らしいお洋服を下さったり、妹さんと離れて寂しいでしょうって、添い寝までしてくださる方よ。もちろん、そこまでお気遣い頂くのは申し訳ないから、お断りしているけど」
「それを」「スケコマシという」
「そうかしら?」
「おねーちゃん」「嬉しそう」
「ふふふ、そうね。立派な方だけど、少しだらしないところもあってね。放っておけないの。お世話させて頂くのが楽しいのよ」
「(趣味の悪さは変わってないね)」
「(ね)」
「(いい感じで執着してるから)」
「(あのスケコマシはお終いだね)」
「二人で見詰め合ってどうしたの?」
「おねーちゃんから見て」
「ん?」
「鬼灯様は?」
「鬼灯様? 鬼灯様の感想を言えばいいの?」
「「そう」」
「そうね……。お会いした回数が少ないからハッキリと断じることはできないけれど、お仕事が出来る立派な殿方だと思うわ。少し他者に厳しく見えるけれど、ご自身にもお厳しいのでしょうね。……素敵な方よね」
「(惚れっぽいのも相変わらず)」
「(あまり会わせないようにしよう)」
「それがどうしたの?」
「「なんでもない」」