- ナノ -



「あ、ここって……」

円形の上も下も先が見えないほどの大きなフロア。
周りには実験体の人々が詰められたポットがおいてある。

エレベーターになっている円形の床に乗ると、上に行くレバーを引いた。

「お、わ、っとと」

動き出したエレベーターにバランスを崩しかけるが、ぎりぎりのところで持ちこたえる。
危ない危ない、こんなところでこけたら奈落の底に落ちてしまうところだった。

このエレベーターは普通に上がるのではなく、ぐるぐると回りながら少しずつ上がっていく。
じっと見ていたら目が回ってしまいそうだ。

「くそ!追いかけてきたぞ!」

ショットガンからライフルに武器を変えて、クリスが敵を狙う。
が、なにぶん足場が回るものだから、流石のクリスも狙いにくそうだ。

菜月も慌てて加勢にはいる。
敵の攻撃が止む瞬間を狙い、菜月は駆け寄った。
そして、回るのと照準のずれのタイミングを合わせる。

タァン――

「って、当たってない……もっと早めに撃ったほうがいいのかな?」

菜月の放った弾は敵からずっと離れた場所に当たってしまっていた。
うぅん、と首をかしげて銃の先端を見つめる。

既に敵は下のほうにいってしまい、此方からでは攻撃が出来ないし、向こうの攻撃も当たらなくなってしまった。
これで襲撃が止んだと一息つこうとすると、再び壁に取り付けられている場所からマジニがやってくる。
しかも、何かレバーを引いた。

何が起こるのかと身構えると、エレベーターの上昇が止まってしまった。

「上昇が止まった!?」

「違うよ!止められているんだ!……ほら、あそこ!!」

上昇が止まり、回転も幾らか遅くなったため、今度は案外簡単に撃ち落せた。
レバーを引いていたマジニを倒すと、止まっていた上昇がゆっくりと動き出した。

周りから来るマジニのマシンガン攻撃をさけ、攻撃を繰り出す。
動く足場に苦戦しながらも、一体一体確実に倒していく。

何度かマジニに上昇を止められたが倒して、何とかエレベーターは上までたどり着いた。
上にも何体かマジニはいたが止まった足場で戦うなら、戦力は俺たちのほうが上。
マジニはあえなく倒されていった。

エレベーターから降りて、次のフロアに進んだ。


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