「ん?」
俺は何か聞こえたような気がして、後ろを振り返った。 だが、背後に敵らしき物なんていないし、ただひたすらレーザーが駆け巡る音だけが聞こえるのみである。
「あら、ナツキどうしたの?」
「なんか、聞こえたような気がしたんだけど……」
う〜んと首をひねって、耳を澄ますが何にも聞こえない。 やはり、気のせいだったのかもしれない。 こんな状況だし、ちょっぴり神経質になってただけかも。
「何も聞こえないわよ」
「気のせいだったのかな……」
レーザーを避けて、祭壇にある石版を取りに行く。 ちなみにクリスは一人で向かい側の祭壇に石版を取りに行っている。
時間縮小するために2手に分かれたのだが、なぜかはじめクリスとシェバ、俺という分け方にされかけて 危機一髪のところでそれをやめさせた。 ……なんで俺が一人なんだよっ!!戦力差考えてよぉおおぉお!!! とか何とか、叫びまくったのちに今の俺とシェバ、クリスというわけ方にいたったのだ。
襲い掛かってくる盾を持ったマジニをシェバがショットガンで吹っ飛ばす。 盾を取り落としたところを俺がヘッドショットして倒す。
それを何回か繰り返し、敵が出なくなったところで祭壇にはめ込まれていた石版を取った。 ライオンのような絵が描かれているなぁ、と石版をしげしげとながめる。 なかなか細かいところまで描かれている。
「さ、待ち合わせ場所まで戻りましょ」
その言葉に俺は頷くと、先ほど来た道を戻り始めた。
待ち合わせ場所、というのは、この石版をはめる扉の前だ。
俺は石版を落とさないように両手でしっかり持って走る。 途中のレーザーを上手く避けて、待ち合わせ場所まで戻ってきた。
「戻ってきたな……よし、石版をはめてくれ」
既に戻ってきていた、クリスが扉を指差してそういった。 扉にはもう2つの石版がはめられている。
菜月は持っていた石版をゆっくりとはめ込んだ。 はめ終わると同時に扉が開く。
俺たちはその奥に向かって走り出した。
突き当りにはなんやら絵の描かれた大きな扉があった。 いつもの通り、開けて入る。
ふに――
「ぎゃあ!!」
……な、なななななんか踏んだぞ!おいっ!!ふにってなに、ふにって!!! 3菜月#は悲鳴を上げると、その場から一気に離れた。
「蛇よ。そんなくらいで、驚かないでよ」
俺が踏んづけた蛇を摘み上げて、シェバが平然として言う。 ちょ、シェバさぁん果敢に満ち溢れる行動ですね……蛇を手で掴むって! 俺にはとてもじゃないけど、できっこねぇ!!
ぺいっと蛇をその辺に投げ捨ててシェバはクリスについていった。
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