とある場所で、数人の男女が集まっていた。皆それぞれ武装しており、目元には厳ついゴーグルが取り付けられていて、顔は窺えない。その中で唯一、顔を見せている男が傍でパソコンを弄っている男に声をかけた。
「ナイトハウル。現場は?」
「デバイスに送った通り。ルディとロルフは死亡を確認。フィーラインは戦闘の痕跡のみ確認、生死は不明。何度かコンタクトを試みたが繋がらない。最後の通信からローズマリー・ウィンターズはミランダに奪われたと見るのが濃厚」
パソコンを操作しながら、淡々とナイトハウルと呼ばれた男が答える。訊ねた男は渋い顔をして、ため息を吐き出した。
「ミランダが生きていたとは想定外だな。アルファ、どうする?」
腕を組み、壁にもたれ掛かっていた大柄な男がその男──アルファに訊ねる。メンバーの三人が欠けたのは彼らにとって痛手だった。
「……一先ずフィーラインは後だ。作戦を続行する」
暫しの沈黙の後、全員の顔を見回してアルファが口を開いた。
「ロボ、タンドラ、ケイナインはミランダの研究室の捜索。ナイトハウル、アンバーアイズは菌糸の採取と分析を頼む。俺は外れにある工場に潜入する」
「「了解」」
アルファに敬礼をすると彼らは命令に従い、それぞれの場所へと散っていく。
「信じてるぞ、ナツキ──」
残されたクリスは静かに呟いた。
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