龍が如く1
Prologue
どこで運命は軋んでしまったのだろうといつも考える。もっと俺に出来ることはなかったのだろうか、と。
初めて親友だと言ってくれたあいつを、何度も俺の手を引いてくれたあいつを、出来ることならば、暗闇から救ってやりたかった。後悔ばかりが何度も胸を締め付ける。
傷付いた手にはあいつの痛みが残っているような気がした。
墓石の前に花束を添えて、ただ立ち尽くす。
「なぁ……俺、お前のこと今も親友だと思ってるよ」
ぽつり。墓石に向けて囁いた。返事はない。思念も何もかもそこにはなかった。
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